【塗装の相見積もりについて】
|
当記事はこういった悩みを抱えている方に適した内容になっています。
今回解説するのは、「塗装の相見積もり完全手引書」です。
初めて塗装の相見積もりをする方でも、この記事を読めば問題なくスムーズに業者との交渉が出来るようになります。同時に、相見積もりを「より効果的なものにする為のノウハウ」も習得でき、より賢く業者との相見積もり取引が出来るようになります。
なぜなら、私自身が塗装業界20年以上の経験があり、現在も実際にお客さんと直接話をして常に相見積もりなどで商談しているからです。そして、工事完了後に話してくれるお客さんのホンネ「じつは…」の話、そして業者側の目線からしか気付けない「生きた情報」をもとに、そのままを記事にして発信しているからです。
今回は、各項目ごとの注意点も合わせて解説をしていきます。しっかりと目を通して必ず相見積もりを成功させましょう。
「塗装の相見積もりの流れ」①相見積もり前に準備しておくこと

相見積もりの前に準備しておくことはこの3点です。
✅どんな風に仕上げたいのか、しっかりイメージしておく ✅こちらの要望や希望をまとめて明確にしておく ✅基本的な塗装工事の基礎知識を習得する |
どんな風に仕上げたいのか、しっかり家族と話し合いイメージしておく
まずは、「美観(見た目)をどういった風にするか」ということと「家をどのくらい持たせるのか」ということを話し合い決めておかなければいけません。
これが決まらないと業者にこちらの要望や希望を伝えることが出来ず、業者の勧めるままに工事が進むケースがほとんどです。
色や仕上げについては、「実際にご近所に建っている家」などを例に挙げて、業者にイメージを伝えると伝わりやすいでしょう。
塗装の色の悩みは⇒こちらの記事も参考にして下さい。
こちらの要望や希望をまとめて明確にしておく
ここが「塗装を成功させる為の第一歩」といっても過言ではありません。
業者はお客さんからの提案がない限り、無難な塗装を勧めてきます。
無難な塗装といえば聞こえはいいですが、逆に言えば「特徴がない、業者都合の塗装」ということになりますので、塗装工事でイメージを変えようと考えている方はしっかりと要望を伝える必要があるでしょう。
伝える項目は下記3点です。
・塗装の色 (どんな色あいか、何色使いたいか、どんなイメージか) ・塗装の質感 (ツヤありかツヤ消しか、模様入りか、石彫仕上げか) ・塗料の品質 (ウレタン・シリコン・フッ素・無機、何年持たせたいか) |
ちなみに、要望を伝えた際に、一緒に考えてくれない業者ならやめといたほうが無難です。
塗料の選定の悩み解決は⇒こちらの記事を参照ください。
基本的な塗装工事の基礎知識を習得する
塗装の基礎知識は間違いなく必須事項です。
なぜなら、基礎知識があることにより「信頼できる業者を見極めることが出来る」、そして「こちらの要望、希望をしっかりと業者に伝えることが可能になる」からです。
よくある失敗例は、知識も持たずその場の雰囲気で何となく業者に頼んでしまい、しかしいざ工事に入ったら不安になり、急遽ネットから得たうわべだけの知識をもとに業者が不正をしていないか疑い始めるケース。
もうこうなったら完全にアウトです。
お互いの信頼関係が失われた状態での良い工事なんてまずムリです。そうならない為にも、入り口でしっかり業者を見極めないといけません。
繰り返しますが、良い塗装工事はお互いの信頼関係が前提条件です。その為にも塗装の基礎知識が絶対に必要です。
「塗装の相見積もりの流れ」②相見積もりする業者を数社絞り込む
さて、塗装のイメージが出来たら次は見積もりをしてもらう業者を決めないといけません。
✅業者の探し方 ✅見積もりは何社頼めばいいか ✅注意点 |
ここではこの3つを解説していきます。
相見積もり業者の探し方
相見積もりの業者の探し方はだいたい5種類。
|
この中でオススメの探し方は、「ホームページ」です。
「〇〇(地域名) 住宅塗装」とネット検索をかけると、だいたいその地域に近い塗装会社のホームページが出てきます。
ホームページをいろいろ見ていくと、その会社がどういった営業方針で塗装をしている会社なのか、ある程度見えてきます。
塗装の相見積もりは何社ぐらいがいいか
3社がおススメです。
理由は、5社・6社と数多く話を聞いたとしても、最初に聞いた会社の話はすっかり忘れてるからです(笑)
ですから比べるのには3社ぐらいが一番妥当です。
仮にいい業者が見つからなければ、また3社ぐらいあたってみるのがいいと思います。
相見積もり業者選びの際の注意点
相見積もりの業者を選ぶ際に気を付けたいのが、知り合いに頼む場合です。
知り合いだけに気軽になんでも相談できる存在ですが、その反面一度見積もりを依頼してしまうと一番断りずらい相手になることも知っておきましょう。
「塗装の相見積もりの流れ」③相見積もり業者に連絡⇒日時設定

見積もりしてもらう業者が決まれば、次にその業者に連絡をして家を見てもらわないといけません。
この際に注意する点が3つあります。
✅見積もりが無料か有料かの確認をする ✅相見積もりをしていることを伝える ✅家族でじっくり話を聞ける日時を設定する |
見積もりが無料か有料かの確認をする
最近ではほとんど見積もり無料でしてくれる業者ばかりですので、有料はよほどのことがない限りやめといた方が無難です。
相見積もりをしていることを伝える
相見積もりをしていることは必ず業者に伝えましょう。
理由は、相見積もりだと伝えることで①「断りやすくなる」ことと②「内容や価格がより適正になる」からです。その他メリットは多数ありますが、デメリットはありません。
家族でじっくり話を聞ける日時を設定する
ここは日時設定時の最重要ポイントです。
『とりあえず見積もりが出てから一緒に訊けばいっか』って考えている人が非常に多いんですが、実はこの時ほど業者の見極めが出来る場面はありません。
業者は家を査定しに来ますが、逆にお客さんは業者を査定するという心構えが必要です。ですから、出来る限り家族全員で話を聞ける日程を決めて全業者と設定しましょう。
「塗装の相見積もりの流れ」④相見積もり業者訪問⇒現場調査
ここでポイントとなるのは下記3点です。
✅見積もり条件を統一して業者に依頼する ✅見積もりの提出時期をある程度統一する ✅家族でしっかりと説明を聞く |
※建物平面図(建築確認申請書)があれば準備しておくとよいでしょう。
見積もり条件を統一して業者に依頼する
事前に決めていた要望や希望をまとめて、全業者「同じ条件」で依頼して下さい。
理由は、同じ条件の見積もりでないと比較が出来なくなるからです。
伝える項目は「出来上がりのイメージ」「塗料の品質」「塗料の色」「塗料の質感」などです。
見積もりの提出時期をある程度統一する
見積もりが出来上がるまでの日数は、業者によってマチマチです。ですから、だいたい1週間をメドに提出をお願いしましょう。
期限を切る理由は、見積もりが出揃ってからしか結論が出せない為、早く提出してきた業者に迷惑を掛けてしまうからです。それと、約束の期限内に見積もりを提出してこれない業者は、この時点で切り捨てましょう。
家族でしっかりと説明を聞く
先程上記で書いたように、ここがその業者が「どういった業者なのかをしっかり見極める唯一のチャンス」といっても過言ではありません。「説明を聞く」ことだけではなく「業者を見極める」ことも意識しましょう。
確認事項はこちらです。
✅こちらの要望に真剣に考えてくれているか
✅どの様にして家の状態を確認しているのか
✅どういった説明をしてくれるのか
要するに、その業者の「考え方」「姿勢」「情熱」「保証年数」などです。
「業者の判断基準」は、⇒こちらの記事で確認ください。
「塗装の保証の考え方」は、⇒こちらの記事で詳しく解説しています。
「塗装の相見積もりの流れ」⑤後日相見積もりが出そろい結論を出す

✅ じっくり検討して結論を出す ✅ 結果の連絡を全業者にする |
ようやくすべての見積もりが揃ったら、あとはしっかり確認して結論を出していくだけですね。価格の比較もさることながら、その塗装工事の内容比較が大切です。見積もりの書き方ひとつとってもずいぶん違うはずです。
しっかり家族で話し合い、後悔の無いように結論を出していきましょう。
「見積もりの見方や比較の仕方」は、⇒こちらの記事を参照ください。
「見積もり書から悪い業者を判断する方法」は、⇒こちらの記事です。
結論が出たら、すぐに業者に連絡です。
断らなくてはいけない業者の連絡は、申し訳ない気持ちが先行してどうしても連絡が遅くなりがちですが、連絡が遅れるほうが業者に対してよっぽど申し訳ない行為だということも覚えておきましょう。
業者の断り方で少しでも悩まれたら⇒こちらの記事を読んで解決してください。
「塗装の相見積もりの流れ」⑥相見積もりの際にこれはマナー違反
こちらが「相見積もりマナー違反」3ヶ条です。
✅他業者の見積もりをそのまま見せて値引き交渉 ✅相見積もりの結果の連絡をせずに放置 ✅頼む可能性がゼロの業者に見積もり依頼 |
他業者の見積もりをそのまま見せて値引き交渉
見積もり内容は問題ないですが、それ以外の単価や詳細金額をそのまま見せる行為は止めましょう。
なぜなら、「見積もり書」とはその業者の経験から生まれた集大成だからです。他者(ライバル)には知られたくない機密情報なわけです。
ですから、そういった行為をするお客さんをどの業者も良く思いません。良い工事の必須条件である信頼関係を失うこととなります。
ちなみに、口頭での交渉はまったく問題ありません。
相見積もりの結果の連絡をせずに放置
先程も書きましたが、これは経験上からいって非常に多いです。でも見積もりをしてくれた業者は正直連絡ないことのほうがツライです。
申し訳ないという思いがあるならば、いち早く連絡するようにしましょう。
頼む可能性がゼロの業者に見積もり依頼
やはりこういったお客さん、たまにいます。
話もしない聞かない、要望すら教えてくれない、とりあえず見積もりを作ってくれ、と。
もちろん依頼があればどの業者も見積もりは作成すると思いますが、話も出来なければどういった見積もりを作っていいかすら分からない場合、とりあえず適当に作成するしかないといった感じです。
仮に、知り合いに頼むことが決まっていて、念のため相場を知る為に相見積もりをお願いするならば、ウソでもそれ相応の対応をするのがマナーです。
まとめ
さて、今回は塗装の相見積もりをする際の流れ(手順)と注意点を解説してきました。
相見積もり前に知っておくのと知らないのでは、かなり大きく変わります。
繰り返しますが、やはり塗装工事を成功させる為には、ある程度の塗装知識は必須です。知識を得ることは少々大変な作業にはなりますが、それ以上の効果がありますので当ブログの別記事も読んで頂いて、ぜひより満足いく塗装工事にして下さい。
当ブログでは、20年以上の塗装業経験者の私自身が、実際の経験より感じ学んだことを書き綴っています。
良ければ、私自身がこの塗装業界に感じることを率直に書いている記事↓がありますので、そちらも読んでみて下さい。

コメント