塗装業界業界で20年以上働いていると、正直業界のいろんなことが見えてきますし、思うところもけっこうあったりします。
「本当はこうなのになぁ」とか、「なんでこんなデマが出回るのかなぁ」とか。
今回取り上げる話は、外壁塗装の「訪問販売業者は悪」というようなイメージが先行している件についてです。
塗装業界の中の人である私が、裏側からみえるリアルを、私的見解で書いていきます。
外壁塗装の訪問販売営業=「悪徳」は間違い
タイトルにあるように塗装の「訪問販売業は決して悪徳ではない」と思っています。
もちろん中には変なことをする塗装会社もありますが、ちゃんと営業している会社もたくさんあります。
ぶっちゃけ訪問販売だろうがなかろうが、悪いことをする会社はしますからね。
だから決してすべての訪問販売会社が悪いわけではないということです。
ところで、「訪問販売業者」ってどういった会社か知ってますか?
訪問販売(ほうもんはんばい)とは、無店舗販売の一種で、販売業者のセールスパーソンが一方的に消費者宅に訪問し、訪問先で商品(権利、役務を含む)の販売活動を行う小売形態。訪問商法という呼び名も存在する。
また、特定商取引に関する法律(特定商取引法)では、上記のような一般的な訪問販売の概念を拡張して、キャッチセールス、アポイントメント商法、催眠商法などのセールスパーソンの訪問がないものも「訪問販売」としている。
出典:Wikipedia
そうなんです。一昔前まで訪問販売業といえば、無店舗販売が主流で、着物や薬などを訪問して売っていたんです。
売ったらあとは知らん顔でドロンする商売ってやつです。
けっきょく当時の悪いイメージが現在まで残っているんでしょうね。
でも、今はどうでしょう。
塗装会社の所在が不明な会社などありませんよね?
まぁ、今の時代そんな変なことしてたら会社はすぐ潰れちゃいますからね。
では、いったい誰が外壁塗装の訪問販売業者の不評(悪口)を流しているのか?

塗装の訪問販売業者の不評を流すのは誰なのか?
これは二通り考えられます。
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答えはとてもシンプルです。
1.営業能力のない小規模塗装会社
これについては、単に自社営業力でバンバン仕事が取れる大手塗装会社が羨ましいんです。
かといって、自社で営業をするかといえば、そんなメンタルもなく、その勇気すらない。
でも悔しいから、ついつい愚痴が出てしまうんです。
結局、自分で新規の仕事が取れないので、仕事の8割以上は下請け業で利益率も悪い為、数こなして生計を立てている塗装業者です。
2.今流行りの塗装マッチングサイト運営会社
塗装関連でネットを調べると必ず検索上位を占めている塗装マッチングサイト。
最終的に「無料一括見積」をさせるように巧みに誘導していくネットのプロ集団ですね。
しかも書いてある内容はどれも引用ばかりで、記事内容はデタラメも多い。
このサイトに登録している塗装業者は1.のような「自社営業力のない小規模な塗装会社」がメインですから、営業力のある大手の塗装専門会社はぶっちゃけ邪魔なんですね。
要するに、自社の商売をうまく進める為に「ライバルを蹴落とす情報操作をしている」というわけです。
一応説明しておくと、「マッチングサイトの仕組み」は、いたって簡単。
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ホント、どちらが訪問販売業的なことをしているのか、分からなくなりますよね(笑)
結局、塗装の訪問販売業者ってどんな会社のこと?
これ、正直分からない方多いと思います。
「塗装の訪問販売業者の定義」ですけど、これも私なりにこう考えます。
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そう考えると、ほとんどの会社が訪問販売業者ですよね。
そうなんです、ほとんどの会社は訪問販売業者となるんです。
ちなみに、新規で塗装の仕事を取る手段といのは「3つ」しかありません。
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実際のところ、2.「お客さんからの紹介」と3.「問い合わせ」のみで商売成り立つ会社など、ぶっちゃけほぼいません。
みーんな汗水流して、頑張って自分から営業(声)かけしているんです。
ですから、100%下請け業で生計を立てている会社以外は、訪問販売営業会社というわけです。
なんで塗装業者はいつも一方的に声を掛けてくるのか?
なぜ塗装業者は頼んでもないのに、いつも一方的に声を掛けてくるのか?
その理由はこちら。
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ちなみに、お客さんが塗装工事をしようと思うきっかけは、
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などの外発的なものが大半です。
そうはいっても、やっぱり営業を掛けられると精神的苦痛を感じたり、押しつけられている感がイヤだという方、多いですよね。
だから『うちは間に合ってます!』とか『必要ならこちらから声かけるから!』などといって反射的に断わったり。
確かにそうですよね。
日常生活でなにか必要なものがあれば、自分の意志で買いに行くのが普通ですからね。
でも、そういった時って、大抵なにか「困った時」じゃないですか?…そうですよね?
✅じゃぁ、家の場合「困った時」っていつ…?
「修理しないと住めなくなった時」
ですよね。…ということは…
「もう塗装ではどうしようもできない時」
となってしまいます。
ですから、逆に塗装業者からの声掛けがあるからこそ、塗装の時期(タイミング)に気付ける、ということもあったりする訳です。
声掛けが続くようであれば「そろそろ塗装のタイミングなのかな」と、むしろ前向きに捉えてみるのもいいでしょう。
まとめ

本来は、お客さんに塗装の時期を判断できる知識を持ってもらい、必要な時により良い業者を選んでもらうべきだと思います。
個人的には、近い将来そんな業界になればいいなと思っています。
しかし、先に書いた様にネットでは営利目的の偏った情報ばかりが蔓延し、ホントの情報がなかなか届きにくくなってしまっています。
そんな中、私の少ない経験ではありますが、実体験を通じた本当の塗装情報をお届けして、少しでもみなさんの目に触れ、なにかの役に立てれば幸いです。
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