外壁塗装の見積書って初心者には複雑すぎて、どれが良くてどれがダメなのか分からないですよね。
そこで今回は、外壁塗装の見積書で「最低限ここだけはチェックしときたい7項目」をまとめましたので紹介していきます。
本記事は、私の20年以上にわたる業界経験を集約し、外壁塗装の見積書で必ずチェックすべき必須項目をまとめたものになります。本記事で紹介するチェック方法をそのまま実践していただければ、見積書から悪質な業者かどうかを読み取ることができ、外壁塗装で騙されたり手抜きをされるリスクが間違いなく減ります。
◆本記事の対象者はこちら
- 見積書の良し悪しを簡単に見分ける方法を知りたい
- 最低限確認しておくべきポイントを知りたい
- 難しい話はちょっとムリ
- わざわざ塗装の勉強までしたくないし時間もない
※本編に入る前に、下記記事を読まれていない方は先にこちらからお読みください。見積もりを取る前に必ずしておかなければいけない最重要事項が書かれています。
外壁塗装の見積書で最低限チェックするべき7項目
外壁塗装の見積書をチェックする最大のポイントは、「こんな見積書はダメ」という悪い見積書の例を知ることです。
初心者にありがちなのが良い例、つまり見積書に正解を求めてしまうことです。残念ながら見積書に正解はありません。なぜなら塗装業者により書き方や書式がバラバラだからです。
そこで注目すべきなのが「ダメな見積書」です。不思議なことに、悪質な塗装業者の見積書にはいくつかの共通点がありますので、それらを省いていくことで自ずと良い見積書が判断できるという流れです。
以下に、私のこれまでの経験から導き出した「見積書チェックポイント7項目」をまとめてみましたのでチェックしてみてください。
※下記7項目は、この業界では常識レベルの話ばかりです。一つでも当てはまる項目があれば要注意です。
✅外壁塗装の見積書のチェックポイント7項目
- 足場と飛散防止シートは掛けるようになっているか?
- 高圧洗浄の作業項目はあるか?
- 塗料の「商品名」や「メーカー名」が記載されているか?
- 「坪数」ではなく「平米(㎡)」表記になってるか?
- 平米単価の相場は妥当か?
- 塗装工程数(何回塗り)か記載されているか?
- 「一式」表記の内訳になっていないか?
足場と飛散防止シートは掛けるようになっているか?
まず最初に確認するポイントは「足場」と「飛散防止シート」です。
足場組みは、外壁塗装工事に欠かせない必須項目です。足場を組まずに外壁や屋根の塗装を行うことは法律上禁止されています。平家のお住まいでも2メートル以上の高所作業を伴う工事には、足場が必要となります。(※労働安全衛生規則518条)
いくら見積もり金額が安くても、足場を組まない塗装業者はやめておきましょう。
飛散防止シートは、ご近所に塗料が飛び散らないようにするための最低限のマナーです。
万が一塗料が飛散してしまった場合は施工業者の責任となりますが、せっかくの外壁塗装工事、トラブルなく終えることが第一です。必ず飛散防止シートの有無を確認しておきましょう。もし見積書に飛散防止シートの記載がないなら必ず業者に確認しましょう。
高圧洗浄の作業項目はあるか?
続いて確認すべきポイントが「高圧洗浄」の有無です。
高圧洗浄も外壁塗装工事では必須項目の一つです。どれだけ丁寧に作業しても、どれだけ高性能な塗料を塗ったとしても、まともな洗浄作業を行っていなければ効果は半減してしまいます。むしろ塗装して数年で塗膜(塗装の膜)が剥がれてしまったなどのトラブルの多くは洗浄不足によるものです。
それだけ外壁塗装工事において高圧洗浄は大事な作業になりますので、見積書に高圧洗浄の作業項目があるかどうかを必ずチェックしましょう。
塗料の「商品名」や「メーカー名」が明記されているか?
続いての確認事項は、屋根や外壁に使用する「塗料」です。
- 見積書には塗料の「商品名」や「メーカー名」の記載がありますか?
- 下塗り・中塗り・上塗りのそれぞれの「商品名」が記載されていますか?
もし「シリコン」や「ラジカル」といった塗料のグレード名だけが書いてある見積書なら注意してください。同じ塗料グレードでも性能や金額はピンキリですので、それでは何の目安にもなりません。
悪質な塗装業者というのは、極力具体的な商品名やメーカー名を表記することを避ける傾向があります。その理由は、同じグレードの中でも一番安価な塗料を使用したり、在庫で余らせている複数の塗料を使用したりするからです。ようするに塗料名やメーカー名を明記してしまうと都合が悪いのです。
使用する塗料の具体的な「商品名」や、塗料を製造している「メーカー名」が記載してあってはじめて信頼できる見積書といえます。
「坪数」ではなく「平米」表記になってるか?
続いて、外壁や屋根の「塗装面積の単位」についてです。
屋根や外壁の塗装面積の単位が「坪」になっている見積書はやめましょう。理由は、坪数は床の面積であり、塗装は外壁や屋根の面積ですから、まったく関係性がないからです。外壁塗装の面積の正しい単位は「平米(㎡)」です。
これは建設業全般にいえることなんですが、なぜか坪数表記をしたがるという古き悪しき習慣があります。いまだに新築や増築も坪数計算ですしね。あれも無理くり坪数に置き換えてる感が否めません。なんにしても坪数は業者にとってあとからいくらでもごまかしが効くとても都合が良い単位なわけです。
平米単価の相場は妥当か?
次のチェック項目は外壁や屋根の「平米単価」です。
塗料の各グレードごとの平均的な相場単価(㎡単価)をまとめましたので、まずは見積書に書いてある平米単価と照らし合わせてみてください。
✅塗料グレード別の平均相場単価
塗料グレード | 相場単価/㎡数(目安) |
アクリル塗料 | 800〜1,500円/㎡ |
ウレタン塗料 | 1,800~3,500円/㎡ |
シリコン塗料 | 2,000~3,800円/㎡ |
ラジカル塗料 | 2,800〜4,000円/㎡ |
フッ素塗料 | 3,500~5,500円/㎡ |
無機塗料 | 3,500〜6,500円/㎡ |
※平米単価とは、1㎡にかかる費用(塗料材料費+塗装作業代)のことです。相場単価はあくまでも目安としてお考えください。
平米単価は、お住まいの地域や業者の見積もりの出し方により若干の価格差があります。しかし、シリコン塗料が単価6,000円になっていたり、逆に無機塗料が2,000円になっていたり、明らかに相場とかけ離れすぎている単価にはご注意ください。せいぜい1,000円前後が妥当なラインです。
工程数(塗り重ね回数)か記載されているか?
続いては「工程数の確認」です。工程数とは、外壁や屋根を何回塗るかという塗り重ね回数のことです。
✅見積書チェック事項
- 何工程仕上げになっているか?工程数の記載がない見積書は論外。
- 3工程以外の場合は、その理由を業者に確認してみよう。
一般的に外壁塗装の工程数は3回塗りが基本ですが、下地の劣化次第では4回塗りをしたり、クリア塗装(透明な塗装)の場合は2回塗りで終わる特殊なケースもあります。見積書に工程数の記載がない、もしくは明確な理由なく2回塗りや4回塗りにされている場合は要注意です。
「一式」表記の内訳になっていないか?
最後は、「一式表記の内訳ばかりなっていないか」の確認です。
内訳が「一式」でまとめられている見積書は論外ですのでやめておきましょう。見積書は金額面を知る目的だけではなく、どこをどのように塗装するのか、補修するのかという約束書面でもあり証拠にもなります。
外壁塗装のトラブルの多くは「言った言わない」の口約束がもとで起こるもの。工事(見積書)の詳細を曖昧にしているような塗装業者が良い工事をするとは思えませんので、一式だらけであればすぐに選択肢から外してOKです。
見積書に書かれていない保証や工事後のアフター対応の確認も忘れずに
これまで見積書の最低限チェックするべき項目を7つピックアップして解説してきましたが、それ以外にも見積書には書かれていない工事後の「保証面」や「アフター対応」にも気を配る必要があります。
外壁塗装工事は人間が行う工事ですから、100%というわけにはいきません。どうしても人為的ミスが付き物です。万が一の不具合に備えて保証とアフター対応を確認しておきましょう。
「どのくらいの期間保証してくれるのか?」という保証期間や、「どのようなケースで保証してくれるのか?」という保証範囲、「その際どのような対応をしてくれるのか?」というアフター対応などをしっかり確認し、口頭での約束(口約束)ではなく書面でやりとりするようにしましょう。
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外壁塗装の見積書で最低限チェックするべき7項目まとめ
✅こんな見積書は要注意です!
今回は、外壁塗装の見積書をサクッとチェックしたい方向けに、最低限ここだけは確認しておきたい7項目を紹介させていただきましたが、あなたの見積書は問題ありませんでしたか?
もし一つでも該当する項目があれば、見積もり業者に直接理由を確認するか、切り替えて別の塗装業者に見積もりを依頼することを強くおすすめいたします。
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