などなど、濃い色の外壁はおしゃれで魅力的なお住まいが多くついつい真似したくなりますよねー。
でも、実際工事してみたら「イメージしていた色と違う…」と後悔したりしないかと不安な気持ちになりますよね。特に外壁塗装は、一度工事すればその色と最低でも10年は付き合うことになるわけですからね。
そこで今回は、黒や赤、ネイビーといった外壁を濃い色で塗り替えようとされている方のために、濃い色のデメリットや選ぶ上での注意点、そして成功させるための3つのポイントなどを紹介していきます。
- なぜあのお住まいはあんなにおしゃれなのか?
- どうしたらこんなお住まいになるのか?
その答えが分かりますので、ぜひ最後まで読んであなたの理想のお住まい造りにお役立てください。
外壁を濃い色で塗り替える5つのデメリット
外壁を濃い色で塗り替える上で必ず知っておくべきデメリットを5つ紹介しておきます。
これらのデメリットを知らずに濃い色で塗り替えると、のちのち後悔することになりますのでしっかり理解した上で扱うようにしましょう。
濃い色のデメリット1 色あせが普通より早く目立つようになる
濃い色は、薄い色よりも色褪せが目立ちやすくなります。
塗料は年数が経過すると紫外線などにより破壊され、真っ白い粉末状になります。これが俗にいうチョーキングという現象です。
ですから、外壁が濃い色であればあるほどその劣化した塗料である白い粉が目立つようになります。
【補足】濃い色だから色褪せしやすいということではなく、あくまでも目立つというだけです。白い外壁でも目立たないだけで同様に劣化しています。
濃い色のデメリット2 色選び・色合わせが難しい
二つ目のデメリットは、濃い色の場合は色選び(色合わせ)が難しいという点です。
人間の視覚は思っている以上に曖昧で不確かなものです。またそれが濃い色となれば尚更で、なかなか思っていた色や雰囲気には仕上がらないことがよくあります。
失敗しない色合わせ方法については後ほど紹介しています。
濃い色のデメリット3 塗料の値段が高くなる
濃い色は、色によっては塗料の値段が高くなることがあります。
一缶あたり数千円程度ですが、工事費全体で見ると数万円上がります。あと、濃い色は水性塗料(においがキツくない)で出せない(造れない)色もありますので、事前に調色可能な色かどうかも確認しておきましょう。
濃い色のデメリット4 濃い色の外壁は熱を吸収する
4つ目のデメリットは、外壁を濃い色で塗装すると熱を吸収しやすくなるという点です。
外壁が熱くなることで考えられる症状としては、
- サイディング外壁材が反りかえる
- 塗料によってはまれに熱ブクレを起こす
などがあり、どれも決して良いとはいえない不具合につながる可能性があります。
ちなみに、”外壁を濃い色にすると家の中が暑くなって熱中症になる”みたいな情報を発信しているサイトもありますが、濃い色を塗ったことで体感できるほど室温が上昇するようなことはまずあり得ませんのでご安心を。
家の構造を考えたらすぐ分かりそうなものなんですけどねー。現場を知らない人間が作ったサイトが多すぎです。
濃い色のデメリット5 手直しの時に困る
これは意外と知られていないデメリットですが、濃い色(調色)は製造された期間(ロット)によって微妙に色味に違いがでます。
塗料は、濃くなればなるほどその色を出すための配合が難しくなり、毎回100%の完全一致にはならないそうです。(日本ペイント 担当者談)
つまり、今年と来年では同じ番号の色を頼んでも色味が違うことがあるわけです!
そうなると問題になってくるのが、工事が終わった後のアフター対応です。
例えば、外壁にモノをぶつけて塗料がハゲてしまった時などに、同じ色番号の塗料で塗っても色が違ってくる可能性があるってことです。工事が終わった後のアフターメンテにも影響が出てくるこのデメリットはちょっと痛いです。
さて、ここまで濃い色のデメリットをずらっと並べてきましたが、すでに諦めモードになっている方もいるのではないでしょうか?
しかし、濃い色のお住まいにはそれを補って余るほどの魅力があるのも確かです。次項では濃い色で外壁を塗り替える上での注意点や、成功させるためのポイントを解説していきます。
外壁を濃い色に塗り替える際の3つの注意点!
まず最初は、外壁を濃い色で塗り替える際に知っておきたい3つの注意点からです。
- ポイント塗り(アクセントカラー)は難易度が高い
- 外壁を濃い色で塗っても本物のレンガやタイルのような風合いは出せない
- アルミサッシの色で印象がガラリと変わる!付帯部の色にも気を配ろう!
それぞれ順に解説していきます。
アクセントカラー(ポイント塗り)はかなりの確率で失敗する
最近新築のお住まいなどでよく見かける外壁の一部分だけ色を変えるアクセントカラー。とってもおしゃれですよねー。
しかしこれがなかなか難しいんです。「どこからどこまでアクセントをつけるか?」という点もそうですが、それ以上に「何色で塗るのか?」という色のバランスです。
正直、これにはかなりのセンスが必要で、安易に手を出すと失敗しますのでおすすめしません。
塗装屋さんに色に関して専門的なアドバイスを求めてもムダです。センスのある塗装屋さんはほぼ皆無、あくまでも塗るのが専門なんですよね。
それでも挑戦される方は、配色について勉強するなりカラーシミュレーションなどを駆使して何度も繰り返し調整するなどして実践しましょう。
✅おすすめの色の本はこちら
[amazon asin=”4295008893″ kw=”見てわかる、迷わず決まる配色アイデア 3色だけでセンスのいい色”]
外壁に濃い色を塗っても、レンガ・タイルのような風合いにはならない
二つ目の注意点は、濃い茶系の色を塗ってもレンガやタイルのようにはならないという点です。
理由は、外壁の素材や表面の柄・質感が違うためです。
よくあるパターンが、1階部分にタイルをイメージして濃い色味を持ってきて2階は同系統の薄めで仕上げる上下ツートン仕上げですが、なかなかタイルの重圧感は表現できません。
アルミサッシの色次第で印象がガラリと変わる
三つ目の注意点は、濃い色で塗装する場合、アルミサッシ(窓枠)の色によってお住まいの印象がかなり変わるという点です。
これは意外と気付いてない方が多いですが、濃い色の外壁でおしゃれだなと感じるお住まいはほとんどアルミサッシの色が白です。これはぜひご自身の目で確認してみてください。※この記事に載せているお住まいの画像はすべてホワイトサッシです。
もし、あなたのご自宅のアルミサッシ色が黒やブラウン系ならば、外壁が濃い色だと圧迫感が出て、全体的に暗くダークなイメージになりますのでご注意ください。
アルミサッシは塗装で色を変えることが出来ない部位です。そのため「家を建てるときにそれ知っときたかったわ〜」と後悔される方がとっても多いのです。
外壁を濃い色に塗り変える際の成功する3つのポイント
さて、これまで外壁に濃い色を塗る上でのデメリットと3つの注意点を紹介してきましたが、それでも濃い色に挑戦してみたい!という方のために、濃い色で成功するための3つのポイントを紹介させていただきます。
以下は、私がこれまで幾度も失敗を経験した結果たどり着いた「濃い色対策」になりますので、かなり再現性はあると思います。
※濃い色はもうやーめたという方はこちらの記事で気分転換を♪
1.外壁を濃い色で塗るなら艶消しも検討しよう!
外壁に濃い色を塗るなら「艶消し」をおすすめします。
せっかく外壁を濃い色で仕上げて重圧感を演出したかったのに、ツヤがあってはその効果は半減です。もちろん好みもあるでしょうから一概に艶消しが良いとはいいませんが、基本的に塗料のツヤが邪魔していることが多いのです。
参考としているお住まいなどあれば、ぜひツヤの有・無も確認してみてください。※艶消しにも5分・3分・全消しなど種類があります。
外壁だけではなく、雨樋や破風などの付帯部も艶調整すると統一感が出ますよ♪
関連記事 艶消し塗料に関する情報はこちら
関連記事 デザイン性の高い意匠性セラミック塗料の情報はこちら
2.色褪せ対策として長く持つ高品質塗料を使うのも◎
濃い色は色褪せが目立つというデメリットがありますが、そちらの対応策として塗料のグレードをあげるという方法があります。
例えば、耐候性の優れたフッ素塗料や無機塗料、それに色褪せを制御してくれるラジカル塗料なども良いでしょう。
せっかくおしゃれな家になっても、数年後に色褪せしてくると悲しいものです。やはり、美観を維持するためにはそれなりのお金がかかるということですね。
※各塗料の詳細はこちらで解説しています。
3.色決めは必ずA4サイズの板見本で!
最終的にどの色にするかを決める段階では、必ず板の色見本を使いましょう!
特に濃い色の場合、カラーシミュレーションや塗料のカタログに載っている小さなカラーサンプルで決めてしまうと絶対に失敗します。
色合わせの具体的な方法はこちらで詳しく説明していますので、ぜひ参考にして色を決めてください。
外壁を濃い色に塗り替える時によくある質問 FAQ
濃い色に塗り替えるにあたり、お客さんからよく聞かれる質問をFAQ形式でまとめましたので参考にしてください。
- Q外壁は濃い色と薄い色のどちらがおすすめですか?
- A
初心者におすすめなのは薄い色です。濃い色は難易度が高めです。
- Q濃い色で塗ると汚れは目立たなくなりますか?
- A
雨だれなどの黒系の汚れは目立たなくなりますが、色褪せは目立ちやすくなります。
- Q濃い色は色褪せしやすいって聞いたけど本当ですか?
- A
正確にいうと色褪せが「目立つ」だけです。白でも黒でも色によって劣化する速度が変わることはほぼありません。
- Q外壁を黒にしたら家の中が暑くなりますか?
- A
黒は熱を吸収しますので外壁自体は熱を持ちますが、一般住宅で室内温度が上がったと感じることはほぼありません。
- Q塗装屋さんは壁に試し塗りとかしてくれるものですか?
- A
希望している色の塗料在庫があれば別ですが、無料で試し塗りをしてくれることは稀です。
- Q濃い色で塗るとどのくらい費用が上がりますか?
- A
一缶あたり数千円から一万円ぐらいです。工事費全体で考えると高くて5万円前後でしょう。
- Q黒色で塗装したら周りとのバランスって取れるでしょうか?
- A
周辺の状況にもよりますが、黒は一際目立ちます。ツヤ消し塗料を使うなどして、少しでも周りとの違和感が出ないように努めることも大切です。
- Q今回外壁を濃い色で塗装したとして、将来的に白とかにできますか?
- A
できます。どの色で塗ったとしても色は変えられます。
- Q濃い色を使って外壁ツートン仕上げをする際のポイントや注意点はありますか?
- A
ツートンカラーのポイントは3点。
① 上下を同系統の色でまとめる
② 2色の明度・彩度をハッキリさせる
③ 外壁中央に帯(幕板)のない外壁は向いていない
まとめ:外壁を濃い色に塗り替えるデメリットと、成功させる4つのポイント
今回は「外壁を濃い色で塗り替える」をテーマに、デメリットや注意点、そして成功させるポイントなどを紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
ダークブラウンやネイビーや黒系の外壁は、最近の住宅人気トレンドカラーにもなっていますし真似したいなという方も多いと思いますが、かなり難易度高めですのでそれなりに覚悟して挑まないと失敗します。
せっかく濃い色でお住まいをイメチェンしようかと夢を膨らませていた方には、少々手厳しい話になってしまいましたが、良いことばかり並べても「いざ工事してみたら失敗した」となっては意味がありませんので、あえて今回は包み隠さず紹介させていただきました。
ちなみに、外壁は薄い色でもおしゃれにする方法はいくらでもあるので、下記記事も参考にしてもらいつつ、いろんな色で検討してみてください。