外壁塗装の醍醐味といえばやっぱり「色」ですよね。
古ぼけてきたお住まいを、また新築の時のように好きな色に塗り替えられるという楽しみ。新築の時に「やっぱりツートンカラーにしておけば良かった…」なんて後悔されていた方も少なからずいるのではないでしょうか。
しかし、残念ながら外壁塗装で理想通りの色に塗り替えられた方って少ないんですよね。しかもそれがツートンカラーなら尚更です。
・思ってたんと違う!
・なぜこうなってしまったんだ…
・ツートンなのになぜかダサい…
など、多くの方がその仕上がりに後悔や不満を持っているわけです。
そこで今回、私の塗装業20年の経験や知見をもとに、外壁をツートンで塗り替えるポイントやおしゃれにするコツをお伝えしていきます。成功するのにはそれなりの理由があるのです。そして失敗もしかりです。
ぜひ本記事を最後まで読んで、外壁塗装であなたの思い描いたツートンカラーのお住まいを完成させてください。
なぜダサい?外壁をツートンカラーに塗り替えてもおしゃれにならない4つの理由
外壁を上下ツートンに塗り替えたけど、なぜかおしゃれにならない…
✅1階2階の外壁を上下ツートンに塗り替えてもダサく見えてしまう理由は以下4つです。
- 帯(幕板)がない
- 総二階じゃない
- 色同士がケンカしてる
- ベランダを2階の外壁の色で塗っている
ダサく見えてしまう理由は、どの色を塗るか?という配色の問題だけではなく、建物の形状もツートン仕上げの成功に大きく関係してくるんですね。
ですから、自宅の形状がツートンにあう建物なのかどうかも合わせてチェックしてみてください。
帯(幕板)がない家の上下ツートンカラーはダサく見える
外壁の中央部に帯(幕板)があるかないかで、ツートン仕上がりの良し悪しが大きく変わります。
帯のない家にツートンカラーはあまり見栄えが良くありません。理由は、1階と2階の色の境界線(ライン)がキッチリ取れないためです。
色の境界線がきっちり引けないお住まいは、全体的にぼやけた印象を与えるからです。しかも色の変化が急激になり、全体的に締まりのない印象を与えます。
帯がなくともALC外壁のように大きく凹みがあるような外壁ならOK♪
2階の外壁を濃い色にして似合うのは総二階の家だけ
外壁を上下ツートンに仕上げて成功させる重要なポイントが「建物の形状」です。
例えば、1階が広く2階が狭いような一般的な2階建て住宅は、2階に濃い色を持ってくると色のおさまりが悪く、ダサくなってしまうのです。2階の外壁を濃い色にしておしゃれなのは総二階のお住まいだけです。
※画像はエスケー化研のカラーシミュレーションより引用
外壁面積が広い方に濃い色、せまい方に薄い色と覚えておきましょう♪
同系色じゃないツートンカラーは色同士がケンカする
外壁を上下ツートンに塗り替えるなら、同系色の淡彩・濃彩で仕上げないとダサくなります。
色単体で見るとそれぞれ綺麗な色なんですが、配色が合わないと色同士がケンカしてとっても残念な見た目になります。色の合う合わないはシミュレーションを使って確認するのも良いでしょう。
※画像はエスケー化研の外壁カラーシミュレーション(無料)を使用しています。
カラーシミュレーションは最終的な色を決める目的で使うと失敗するので注意!あくまでも配色バランスを確認するために利用しましょう。
出っ張りベランダの色は2階の外壁に合わせないとおかしい
ツートンに塗り替える場合はベランダの壁の色にも注意しましょう。ベランダの色を2階の外壁と合わせるとバランスが悪くかなり不恰好に見えます。
2階のベランダは1階の外壁の色と合わせるのが基本です。外壁のツートンカラーを考える際には、ベランダの色もしっかりと考慮することが重要です。
へこみベランダの場合は2階の色と一緒が◎。ただし、外壁に帯があればそちらを優先して色分けするとうまくいきますよ♪
ツートン仕上げをおしゃれに見せるもう一つのポイントは「窓枠の色」
もし、ご自宅のサッシ枠(窓枠)の色が「白」ならラッキーです。
これは意外に知られていない情報ですが、サッシの色がホワイトなら外壁に濃い色を持ってきてもかなり明るくおしゃれに仕上がるんです。
逆に、サッシの色がブラウンやブラックのお住まいに濃い色を塗ると、どうしてもダークで威圧的なイメージに仕上がってしまいます。
「おしゃれだなー」と感じるお住まいは、その多くがサッシ枠の色がホワイトなのです。ですから、ご自宅のサッシの色にも気をつけて色選びをすると良いでしょう。
残念ながら、サッシ枠の色は塗装で塗り替えることができません。
外壁のツートン配色で参考にすべきは新築の家
外壁ツートンカラーの配色で参考にすべきは「新築の家」です。ネットで “おしゃれ 外観 ツートン” で画像検索すると、おしゃれな新築住宅の画像がたくさん出てきます。
新築は、設計段階からデザイナーやカラーコーディネーターが外観の配色バランスを決めていることが多く、参考になるはずです。塗り替えしているツートンの多くはセンスもなく、ぶっちゃけあまり参考にならないでしょう。
ただし、新築のツートンカラーを参考にする場合は、外壁の種類や材質、塗料の艶(ツヤ)などが異なる場合もあるため、それらも考慮しながら配色を検討すると良いでしょう。
まとめ:外壁をおしゃれなツートンカラーに塗り替えるポイント
今回は、長年塗装業を行っていく中で実際に外壁をツートンカラーの塗り替えに失敗した例を参考に、いかにしておしゃれなツートンカラーの外壁に仕上げるかについての注目点や配色のコツをお伝えしました。
本記事をまとめると、外壁をツートンカラーに塗り替える際には、
- 帯(幕板)の有無
- 建物の形状
- 上下の色の組み合わせ
- ベランダの色
- 窓枠サッシの色
この5つの項目に注視し、自宅にあうベストな色を慎重に考慮することが大切です。
ちなみに塗装屋(業者)は、色に関しては無知でセンスゼロなので、ご自宅を本気でおしゃれに仕上げたいと思う方は、専門のカラーコーディネーターに相談したり、配色に関する書籍などを参考にすると良いでしょう。
■配色のおすすめ本
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■詳しい配色バランスや色の選び方についてはこちらでも解説しています。