今回は外壁を「濃いグレー」や「濃い茶色」「濃いグリーン」「赤」「黒」など、濃い色でお住まいを塗り替える際に成功させるポイントと、そのデメリットをわかりやすく解説していきます。
本記事は、こんな悩みを持った方に最適な内容です。
濃いめの色で塗り替えたいけど…
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こちらを最後まで読むと、上記の悩みが解消されるだけではなく、ご自宅のお住まいにはどんな外壁の色が合うのかが分かるようになります。
なぜなら、この記事の筆者である私自身が、塗装業界20年越えの現役人であり、そこから幾度の失敗を重ね学んだ、「色選びの最重要ポイント」をピックアップして、誰でも成功できる記事にしているからです。
しっかり熟読して、自分自身の思い描いたお住まいの色に仕上げて塗装を成功させましょう。
必見!外壁を濃い色に塗り変えても失敗しないポイント4項目。
外壁の色を決めるにあたって「どんな色が良いか」という色自体の種類に悩まれている方が非常に多いんですよね。
そしていざ塗ってみたら『あ~、やっぱりちょっとイメージしてたのと違ったなぁ…』と後悔されたり。
私自身、これまで20年以上いろいろなお客様と接してきて思うことは、やはり「失敗している方には同じ共通点がある」ということです。
それは、他のお住まいの写真などを参考にして
これと同じ色を塗れば、その雰囲気のお住まいになる、と考えてしまっている |
ということです。
でも、それは大きな間違いです。
では、なぜ外壁に同じ色を塗っても、同じ雰囲気のお住まいに仕上がらないのか。
それは、お住まいの印象を決めるのは「外壁の色だけではないから」です。
それらを知っておくだけで、思い描いているお住まいに、より近付けることが出来るようになります。
では、下記で4つのポイントに分けて、わかりやすく解説していきます。
外壁を濃い色で塗り替える際のポイント① サッシの色
まず、外壁を濃い色で塗り替える際の最初のポイントは、「サッシ(窓枠)の色」です。
✅ポイント①
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このサッシ(窓枠)の色というのが、じつは外壁を濃い色で塗り替える上で、かなり重要なポイントです。
ほとんどの方はこのことに気付いていませんが、間違いなく仕上がりに直結してくる部分なのです。
よければ、いま参考にしている写真やお住まいを確認してみて下さい。
『オシャレだなぁ』と感じるお住まいの多くが、実は「ホワイトサッシ」であることに気付かされます。
特に、ヨーロッパ風な異国情緒あふれるお住まいなどは、まさにそれです。
※本記事中の画像は、すべて「ホワイトサッシ」のお住まいを使用していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ホワイトサッシ」の特徴として、いくら外壁を濃い色に塗ったとしても、むしろ全体にメリハリが出て、非常に明るく、上品な仕上がりになります。
逆に「ブラウン」や「ブラック」サッシのお住まいの場合、外壁の色を濃くすればするほど、暗くどんよりした雰囲気になりやすいので、注意が必要です。
仕上がりの雰囲気を確認する為には、カラーシミュレーションを利用してみるのも一つの手です。
外壁を濃い色で塗り替える際のポイント② 外壁のツヤ
こちらも外壁を濃い色で塗り替える際に、とても重要になるポイントです。
✅ポイント②
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現在、塗り替えに使用されている一般的な塗料は「ツヤありタイプ」になります。
「ツヤあり」とは、外壁の見た目がピカピカになる塗料タイプです。
ですが、外壁の色を濃くする場合は、このピカピカになるツヤ感が、逆にお住まいを安っぽく見せたりします。
ヨーロッパや地中海などの異国情緒あふれる落ち着いた雰囲気のお住まいは、基本「ツヤ消し」です。
南国のカラフルな外壁の風合いなどをイメージされているのであれば、ツヤは無くしたほうがイメージに近づくはずです。
こちらも、参考にしているお住まいの画像などがあれば、外壁のツヤを確認してみて下さい。
一方で、「ツヤ消し」塗料も良いことばかりではありません。
デメリットもあります。それがこちら。
✅ツヤ消し塗料で塗り替える際のデメリット ⇒ ツヤありの塗料よりも耐久年数が劣る |
ツヤ消し塗料の耐久年数が劣ってしまう理由は、塗料の中にツヤを消すための材料を混ぜ込んで造っている為です。
ですから、その分本来の純度(性能)が下がってしまうというわけです。
見た目の雰囲気を選ぶか、お住まいの耐久年数を選ぶか、悩みどころですね。
どちらにしても、外壁を濃い色で塗り替える際には、こういったデメリットもあるんだとしっかり理解しておくことがなにより大切です。
外壁を濃い色で塗り替える際のポイント③ 軒裏天井の色
次のポイントは、軒裏天井です。
軒裏天井がどこの部分か分からない方の為に、一応画像を載せておきます。
✅ポイント③
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理由は、画像を見てもらうと分かる通り、軒裏天井は常に陰になっています。
ですから、外壁と同じ色を塗ったとしても必ず暗く見えるんですね。
では、軒裏天井が暗くなるとどうなるか。
お住まい全体がぼやけて見えて、しかもとても暗い感じの印象を与えます。
これも参考までに、ご近所のお住まいを確認してみると分かりやすいと思います。
外壁の色の濃い薄いにかかわらず、基本的にどのお住まいも、意図的に軒裏天井を外壁の色より明るめに(白系が多い)してあります。
この辺りも知っておくと仕上がりにずいぶん差が出ますので、ぜひ抑えておくべきポイントです。
外壁を濃い色で塗り替える際のポイント④ 色決めは板見本で
最後4つ目のポイントは「色決め」です。ここはホント慎重にいきたいところです。
何点か注意点がありますのでまとめます。
✅ポイント④
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せっかく好みのお住まいの雰囲気をイメージ出来ていたとしても、この色選びで失敗してしまうと元も子もありません。
実際に塗り替えたあとのお住まいをしっかりイメージして、上記ポイントを参考に慎重に選んでいきましょう。
と、ここまでが「外壁を濃い色で塗り替える際の4つのポイント」の解説でした。
下記事では、「外壁を濃い色で塗り替えるデメリット」について解説していきます。
外壁を濃い色で塗り替える際のデメリット。

外壁を濃い色で塗り替える場合のデメリットもしっかりとお伝えしとかないといけません。
✅外壁を濃い色で塗り替える際のデメリット
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外壁を濃い色で塗り替えるにあたり、この3項目は知っておいた方がよいです。
では、1つずつ掘り下げていきます。
デメリット① 色あせが通常より早く目立つようになる。
外壁の色あせの原因は、紫外線などにより塗装の膜(塗膜)が破壊・分解されることによるものです。
白いガードレールなどを触ると、白い粉(チョークの様なもの)が手に付きますよね。
あれは、白い塗料が紫外線によって粉々に分解されてしまっているからなんです。
そういった色あせのことを「チョーキング現象」と呼びます。
では、なぜ濃い色の外壁が、より色あせが目立ってしまうのか。
外壁を濃くすることで、色あせの原因である「白い粉」が余計に目立ってしまうからです。
逆に、外壁を白にすると、色あせ(チョーキング現象)はほとんど目立ちません。
※外壁を白に塗り替える場合は、こちらの記事を参考にして下さい。
デメリット② 色選びの難易度が高い
外壁を濃い色に塗り替える場合の「色選びの難易度」はホント高めです。
これにもいくつか理由があって、今回上記で説明してきた「4つのポイント」を知らない方がほとんどですし、何より「色に関して専門的にアドバイスできる塗装業者が、あまりにも少ない」という現状です。
塗装工事は、「外壁の色」に関するクレーム(仕上がりの色が違うなど)が意外と多くて、その辺りも業者がアドバイスしたがらない理由にも繋がっていると思います。
要するに、下手にアドバイスしたことで、逆にそれがクレームになることを避けたいんですね。
外壁塗装の色決めに関しては、上記内容の4つのポイントを念頭において、親身になって考えてくれる業者との綿密な打ち合わせが必須です。
塗装業者の見分け方はこちらの記事を参照ください。
デメリット③ 濃い色の塗料は基本価格が高くなる
3つ目のデメリットは、「濃い色(原色に近い色など)の塗料は、価格が高くなる」です。
塗料は、塗料の中に「色を構成する”顔料”」を混ぜ込んで製造するんですが、色が濃くなればなるほどその”顔料”が必要になります。
ですから、原色に近い赤、青、緑、黒などの塗料カタログにない色は、塗料メーカーに色の配合依頼をして特注するかたちになります。
そうすると、おのずと塗料の価格も上がってくる仕組みですね。
色の濃さにもよりますが、通常の塗料の価格と比べるとだいたい1.2倍~2.0倍ぐらいの違いが出ます。
仮に、一缶20,000円だとすると24,000~40,000円で、その差4,000~20,000円。
塗り替えで4缶使用したとすると、その4倍の16,000~80,000円ですね。
高いか安いかは個人の判断基準次第でしょうが、個人的にはこれでイメージした風合いのお住まいが手に入るならば安い出費じゃないかな、と感じます。
※塗料価格については、依頼する業者に細かく確認してもらいながら進めていって下さい。
まとめ

さて、これで「外壁を濃い色に塗り替えるデメリットと、成功させる4つのポイント」の解説は終わりになりますが、いかがだったでしょうか。
私は、塗装工事の一番の醍醐味(楽しみ)は「色決め」だと考えています。
塗装は本来アートなものですし、もっともっと塗り替えを楽しんで、好みの色でご自身のお住まいを飾ってもらいたいなと思います。
今回説明した内容は、私自身経験しているからこそ気付けた内容になりますので、ぜひ参考にして頂いて、よりよい塗装工事に繋げてください。
今後も、より有益な情報を発信してきたいと考えていますので、また困ったことがあれば、本サイトの記事を読みに来てください。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。