お住まいの外壁塗装は、建物の美観や耐久性を保つ重要なリフォームですが、その費用は一般的に高額です。しかし、自治体によっては助成金や補助金が提供されており、この機会を上手に利用することで、負担を軽減することができます。
本記事では、外壁塗装の助成金申請の手続き方法を、わかりやすい図解とともに詳しく説明しています。助成金の申請手順や注意点をしっかり理解することで、スムーズな申請が行えるようになり、効果的な支援を受けることができますので、一緒に外壁塗装の助成金申請のステップを確認してみましょう。
外壁塗装の助成金(補助金)とは?

外壁塗装の助成金(補助金)とは、お住まいの地域の自治体が工事費用の一部を負担してくれる制度のことで、申請者には最大25万円程度の金額が支給されます。
外壁塗装の助成金や補助金制度は、各自治体が住宅の省エネルギー化や耐震化などを推進するために行っています。
外壁塗装の助成金(補助金)を受け取るための基本条件

外壁塗装の助成金(補助金)を受け取るためには以下の条件が設けられています。
- 工事の内容が助成金申請の条件を満たしていること
- 税金を滞りなく納めていること
- 自治体が指定した塗装業者に依頼すること
- 着工前に助成金の申請手続きをしていること
これらは、外壁塗装の助成金を受け取るための基本的な条件であり、他にも自治体によって細かく条件が設けられていますので、お住まいの地域の自治体ホームページを確認して、どのような条件があるのかを確認しておきましょう。
外壁塗装工事で申請できる助成金(補助金)の種類
現在実施されているリフォーム助成金は大きく分けて以下4種類あります。
- 省エネ工事(断熱)を対象にした助成金
- 一般的なリフォームを対象にした助成金
- 介護保険制度を利用した(バリアフリー化など)助成金
- 各自治体独自の条件が組み込まれた助成金
このうち、外壁塗装工事に利用できる助成金(補助金)は、主に「省エネ工事(断熱)を対象にした助成金」と「一般的なリフォームを対象にした助成金」の2つになります。
■省エネ工事(断熱)を対象にした助成金
まず、省エネ工事に対する助成金です。
省エネ工事を対象にした助成金の多くは、断熱材の追加や窓ガラスの交換などの断熱リフォーム工事が中心となっていますが、その中に「断熱塗料」や「遮熱塗料」を使用した外壁塗装工事を対象としたものがあります。その場合は条件にある遮熱・断熱塗料を使用して工事することで補助金を受けられます。

「断熱塗料」や「遮熱塗料」の記載があるかをチェック!
■一般的なリフォームを対象にした助成金
もうひとつは、一般的なリフォームに対する助成金です。
こちらは省エネや断熱とは関係なく、住宅の性能向上に関する幅広い工事が対象となっています。外壁塗装工事も対象となっていることが多く、申請条件もかなりゆるめなので見つけたら積極的に利用しましょう。

このタイプの助成金を実施している自治体は非常に少ないので、見つけたらラッキー!
このように、外壁塗装工事に適用できる助成金(補助金)は、省エネ工事と一般的なリフォームの2つのカテゴリに大別されます。詳細な情報は、ご自身が住んでいる地域の自治体のウェブサイトなどで確認してみてください。
■各自治体の助成金早見表
(※画像クリックすると移動できます)
外壁塗装の助成金の手続き方法とその流れ
外壁塗装の助成金を受ける手続きと流れを簡単に説明します。
- ステップ1助成金情報を確認
まず、住んでいる自治体のホームページや窓口で外壁塗装の助成金について調べましょう。助成金の種類や条件、申請期間などを確認します。
- ステップ2申請書入手
外壁塗装工事の対象となる助成金がある場合、申請書を入手します。自治体のホームページからダウンロードしたり、窓口で入手したりできます。
- ステップ3塗装業者に見積もり依頼
助成金を受けるためには、塗装業者から見積もりが必要となります。助成金の条件によっては、特定の塗料や自治体指定の塗装業者を使う必要があるかもしれませんので確認しておきましょう。
- ステップ4申請書記入
申請書に必要事項を記入します。個人情報や工事内容などが含まれます。見積もりも一緒に提出します。
- ステップ5申請書提出
申請書と見積もりを自治体に提出します。提出方法や期限に注意しましょう。
- ステップ6審査と結果通知
自治体で申請書が審査され、助成金の支給可否が判断されます。結果は郵送や電話で通知されます。
- ステップ7工事実施
助成金が承認されたら、塗装工事を業者に依頼して実施します。
- ステップ8報告書提出
工事完了後、報告書を自治体に提出します。工事実績や写真、保証書などが含まれます。
- ステップ9助成金振込
報告書が受理されたら、助成金が指定口座に振り込まれます。
外壁塗装の助成金を利用するには、助成金情報の確認から始めましょう。申請書の提出や報告書の準備には時間がかかることがあるので、計画的に進めることが大切です。自治体のホームページや窓口で詳細を確認して、快適な住まいづくりを実現しましょう。外壁塗装業者の選定も注意して行いましょう。
2023年度に実施されている外壁塗装が対象の補助金例
2023年に実施されていた外壁塗装の助成金(補助金)の一部を紹介しておきます。申請条件やもらえる金額を簡潔にまとめてみましたので、参考にしてください。
✅【2023年度】外壁塗装の助成金実施の自治体の一部
自治体 |
工事内容 |
助成金額 |
対象者 |
その他の条件 |
東京都 品川区 |
遮熱塗料を用いた 塗装工事 |
工事費用の10% (上限20万円) |
区内に住宅を所有する方 |
区内の施工業者に依頼することや所得制限など |
大阪府 摂津市 |
外壁塗装を含む リフォーム工事 |
工事費用の50% (上限25万円) |
親や子世帯と新たに同居・近居を するため転居してくる方 |
なし |
千葉県 我孫子市 |
外壁塗装を含む リフォーム工事 |
工事費用の10% (上限20万円) |
市内に個人住宅を所有している方で、 リフォーム工事後10年以上の定住の意思がある方 |
単身者・子育て世代なら上限額が30万円 |
神奈川県 海老名市 |
外壁塗装を含む リフォーム工事 |
工事費用の50% (上限10万円) |
市内に1年以上住民登録をしている方 |
市内の商店街で使える商品券として交付 |
埼玉県 熊谷市 |
外壁塗装を含む リフォーム工事 |
工事費用の5% |
市内に住民登録している方で、 税金を滞納していない方 |
市内の商店街で使える商品券として交付 |
沖縄県 沖縄市 |
防水・遮熱塗装 などの工事 |
工事費用の25% (上限25万円) |
市内に住民登録をしている方で、 居住する方または転居してくる方 |
なし |
福岡県 久留米市 |
外壁塗装を含む リフォーム工事 |
工事費用の10% (上限20万円) |
市内に住宅を所有している方で、 リフォーム工事後10年以上の定住の意思がある方 |
単身者・子育て世代なら上限額が30万円 |
岡山県 岡山市 |
遮熱塗料を用いた 塗装工事 |
工事費用の10% (上限10万円) |
市内に住宅を所有している方 |
区内の施工業者に依頼することや所得制限など |
長野県 松本市 |
遮熱塗料を用いた 塗装工事 |
工事費用の10% (上限20万円) |
市内に住宅を所有している方 |
区内の施工業者に依頼することや所得制限など |
愛知県 名古屋市 |
遮熱塗料を用いた 塗装工事 |
工事費用の10% (上限20万円) |
市内に住宅を所有している方 |
区内の施工業者に依頼することや所得制限など |
上記以外にも外壁塗装で申請可能な助成金が各自治体で実施されていますので、各自治体のホームページや窓口で確認してみてください。
外壁塗装の助成金申請時の注意点
助成金は外壁塗装の費用負担を軽減する大きな支援ですが、外壁塗装の助成金を申請する際にはいくつかの注意点がありますので確認しておきましょう。
工事後の助成金申請は基本不可
助成金は、工事前に申請する必要があります。事後報告では基本的に助成金はおりませんので、申請手順や期限を守りましょう。
先着順や抽選などで早々に打ち切りとなるケースも
外壁塗装の助成金は、予算の都合や需要によって早期に締め切られる場合が多々あります。特に人気のある助成金はほとんど先着順や抽選制なので、計画的に申請を進めることが必要です。
申請手続きが複雑で面倒くさい
だいたいお分かりだと思いますが、この手の申請手続きはとても複雑で手間がかかります。無駄に必要な提出書類も多く、申請条件や期限も守らなければいけないので、ある程度の心構えが必要です。
助成金申請のネット広告に騙されないように
最近では「助成金で50万円安くできます!」「助成金申請が可能な塗装業者を紹介します!」などのネット広告を多く見かけますが、ほとんど誇大広告です。
これらの広告を出している外壁塗装マッチングサイト(地元の塗装業者を無料で紹介するサイト)は、見積もりだけして、結局「受け取れる助成金の実施は現在ありませんでした」となるのがオチです。まずは、ご自身で助成金が受け取れるかどうかを確認することをおすすめします。
まとめ:外壁塗装の助成金(補助金)の手続きについて
さて今回は、外壁塗装の助成金(補助金)について以下の内容を解説しました。
本記事で解説した外壁塗装で利用できる助成金(補助金)を「Q&A」で見やすくまとめておきます。
- Q外壁塗装の助成金(補助金)とは?
- A
自治体が工事費用の一部を支給する制度で、最大25万円程度の金額が受け取れる。
- Q助成金が受け取れる条件は?
- A
各自治体により条件は違う。遮熱塗料や断熱塗料を利用する条件や、特に条件がないリフォーム工事全般というケースもある。
- Q助成金の手続き方法とは?
- A
塗装工事前に申請書と見積もりを提出し、審査と結果通知を受けた後に工事実施。工事が終わったら最後に報告書を提出して指定口座に振込してもらえる。
- Q助成金を申請する上での注意点とは?
- A
1. 工事後の申請は基本的に受け付けてくれない。
2. 実施は不定期で各自治体により違う。
3. 先着順や抽選などがほとんどで早々に打ち切りになるケースが多い
4. 申請手続きが複雑でとても面倒くさい
5. 助成金のネット誇大広告に注意
- 申請手続きもめんどくさい。
- 実施されていることも少ない。
- 調べるのに一苦労。
- しかも先着順や抽選。
と、なかなか利用が難しい外壁塗装の助成金制度。とはいえ、最大25万円近くのお金が支給されるわけですから、上手に活用して賢くお得に外壁塗装工事をしたいものですね。
以上、外壁塗装の助成金(補助金)に関する記事のまとめでした。外壁塗装をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。