もし新築を建ててもらった工務店といまだに付き合いがあるなら、その工務店に外壁塗装工事をお願いするのも一つの選択肢です。
そこで気になるのが…
工務店の外壁塗装って実際どうなんだろう?
といった疑問や不安ですよねー。
ということで、今回は外壁塗装工事を家を建てた工務店にお願いするべきか悩んでいる方のために、工務店で外壁塗装工事を頼んだ場合の費用相場感や工事の品質などについて紹介していきます。
※全国展開している工務店や大手ハウスメーカーの情報はこちら
工務店で外壁塗装工事を頼むと相場より費用が高くなる?
工務店の外壁塗装工事の費用相場は、高くもなく、安くもなく、ごく一般的といった感じです。
■外壁塗装業者別の相場比較表
業者タイプ | 工事価格 | 工事業態 |
工務店 | 普通 | 下請け |
ハウスメーカー | 高い | 下請け |
リフォーム会社 | 高い | 下請け |
大手塗装会社 | 高い | 下請け |
家電量販店 | 普通 | 下請け |
ホームセンター | 安い | 下請け |
地元塗装店 | 安い | 下請けor自社施工 |
工務店によって提示する見積価格は異なりますので一概には言えませんが、工務店同様に下請け業者を使うハウスメーカーやリフォーム会社と比較しても塗装価格は安いほうです。
工務店の外壁塗装が安い理由は、
- 地域に根付いた経営をしているので、あまり金額を吹っかけてこない
- 本業は建設業なので、少額の塗装で儲けようという気がない工務店が多い
- ハウスメーカーや大手塗装店のように営業が上手な方ではない
- あまり高級な塗装を提案しない傾向がある
などが挙げられます。
工務店の外壁塗装の工事品質はどのレベル?
工務店の外壁塗装工事の品質は、その工務店が使っている下請け業者によります。
工務店は総合建設業のため自社で塗装工事することはありません。普段よく使っている塗装店(下請け)が工事しますので、外壁塗装の工事レベルや品質も下請けの塗装店次第となります。
ほとんどの工務店は、下請け塗装店が作成した見積もり(内容)をそのまま反映させています。
工務店が提案する塗料はどんな塗料?
工務店は、塗料の選択もほぼ下請け任せですから、その下請け塗装店がよく使う塗料が提案されるでしょう。
ちなみに、小規模塗装店は耐用年数10年前後の水性系シリコン塗料あたりをよく使っています。
塗料グレード | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 3〜5年 |
ウレタン塗料 | 5〜7年 |
シリコン塗料 | 8〜13年 |
ラジカル制御塗料 | 8〜15年 |
フッ素塗料 | 13〜18年 |
無機塗料 | 15〜20年 |
※耐用年数は立地条件や環境によって変わります。
ごく稀に、アクリル塗料(アクリルリシン)やウレタン塗料といったような低品質な塗料を提案してくることもあるので、どんな塗料で塗るのかをしっかり確認しておきましょう。
工務店はフッ素や無機などの高級塗料は扱わない?
工務店がフッ素や無機といった高級塗料を提案してくることはほとんどありません。
これは下請けの塗装店が高級塗料を扱わないためです。小規模経営の塗装店にとって高級塗料はリスクしかありません。
例えば、一缶10万円の無機塗料が半分余ればそれだけで5万円分の在庫を抱えることになります。それが毎現場発生すれば一年後にはとんでもない額の在庫を抱えてしまうことになるわけです。
また、塗料は一度開封してしまうと劣化するので早く使用しないといけません。しかし、次のお客さまがまた同じフッ素や無機を使うとも限りませんし、同じ色を選ぶとも限りません。
ですから、年間の現場数が少ない小規模塗装店は、安価でかつ汎用性の高い塗料を好んで使う傾向があるわけです。
工務店に外壁塗装工事を依頼するメリットとデメリット
では次に、外壁塗装工事を工務店に依頼する場合のメリット・デメリットについても確認していきましょう。
メリット
工務店とはすでに信頼関係が構築されている間柄なので「まず変な塗装工事はしない」という点が最大のメリットですね。
デメリット
技術力は特に心配する必要はないでしょうけど、やっぱり一番の課題は「塗料」ですね。
工務店に外壁塗装工事を依頼する際の注意点
では実際に工務店に外壁塗装をお願いする場合、どのような点に気をつけて依頼すれば良いのかという注意点を4つ紹介していきます。
特別な要望や仕様がある場合は事前に相談しておくこと
特別な要望や複雑な仕様を希望する場合には、見積もり前に担当者に相談しておくようにしましょう。
例えば、
などです。特に、塗料の種類や色に関する要望は前もって確認しておきましょう。
どういった「塗料」を使うのか確認しておくこと
先程もお伝えしたように、工務店が提案してくる塗料は特に指定しなければ基本的に下請け任せです。
ですから、工務店に見積もり依頼をする前にどこの塗料メーカーのどのような塗料で見積もりするのかを事前に確認することが重要です。
塗料は、耐久性や美観にも影響してくる外壁塗装工事で最も重要な要素です。塗料に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
工務店に任せるつもりでも一度は他社で見積もりを取ってみること
一昔前は家を建てた工務店に外壁塗装も任せるのが当たり前でしたが、最近はネットが普及した影響なのか、ほとんどの方が複数の塗装業者から見積もりをとり比較検討する時代です。
ほぼ工務店に任せるつもりでも、一回は他社で見積もりを取りましょう。比較することでより冷静に、より客観的に良し悪し判断ができるようになります。
工務店の工事保証やアフターサービスを確認すること
すでに信頼関係が築けている工務店とはいえ、念の為、外壁塗装の保証や工事後のアフター対応について確認しておきましょう。
外壁塗装工事の保証期間は5〜10年が妥当です。保証に関する情報はこちらの記事で解説しています。
工務店の外壁塗装工事はどんな人に向いているか?
✅工務店の外壁塗装工事はこんな方に向いています。
まとめ:工務店(建設会社)に外壁塗装工事を依頼するメリット・デメリット、注意点
さて、今回は工務店の外壁塗装工事について、他業者との相場比較や工事の品質などをいろんな角度から解説してきました。
最後に、私なりに工務店の外壁塗装工事を総評するとこんな感じです。
✅工務店が行う外壁塗装工事の総合評価
おすすめ度
工事価格
技術力
提案力
安心度
■工務店に外壁塗装を依頼するメリット・デメリット
工務店によって経営方針や得意不得意といった専門性も変わってきますので、一概にこうだと決めつけることはできませんが、少なくともこれまで20年以上この業界で生きてきた私自身の知見に基づいた一次情報になりますので、工務店の傾向を知る上での参考としてしてご活用ください。
外壁塗装業者別の特徴や傾向についてはこちらの記事で解説しています。
相見積もりの取り方に関してはこちらの記事で解説しています。