さて今回は、外壁塗装の保証についての話をしていきます。
保証と言うとやっぱり外壁塗装を決めていく上での一つのポイントになってくると思うんですけど、実際のところ保証の意味だったりその範囲だったり、どういった状態になればどんな保証が受けられるのかなど、よく分からないって方が非常に多いと思います。
そこで今回は業界20年以上の経験がある私が外壁塗装の保証って何なんだろうというところを初心者にもわかりやすく噛み砕いて説明していきます。
■この記事では下記のような悩みが解決できます。
- 外壁塗装の保証がまったく分からない
- 適切な保証年数・保証期間が知りたい
- どんな時にどんな保証が受けられるのか知りたい
- 会社が潰れたら保証はどうなるか知りたい
- 安心できる保証書の見分け方を知りたい
外壁塗装の保証の種類について
まず最初に、外壁塗装の保証の種類について説明しときます。
外壁塗装の保証には大きく2種類あって、一つ目が「工事保証」、もう一つが「製品保証」となります。
工事保証とは?
工事保証というのは、工事をしてくれた施工店がお客さんに対して工事の品質を保証してくれるものです。
例えば、工事後すぐに外壁が変色してしまったり、塗膜が剥がれくるなどの不具合が出た場合に、無償(施工店負担)で手直しや塗り替えをしてくれるといった保証です。
製品保証とは?
製品保証というのは、工事に使った塗料に対しての保証なんですけど、これは塗料メーカーが塗料を販売してる代理店に対して出している保証になります。
直接お客さんが手にしたり目にすることのない保証ですが、何か不具合が発生した場合には、施工店経由で塗料メーカーが対応してくれます。
どちらにしても工事の品質や施工自体に何らかの問題が生じた場合に保証してくれるというのが外壁塗装の保証ということになります。
外壁塗装の保証範囲や保証内容について
続いて、外壁塗装の保証の範囲や保証の内容について詳しく説明していきます。
まずは保証が受けられるケースと、受けられないケースがありますので、それらがどういう状況で起こるものなのかということを把握しておきましょう。
保証が受けられるケース
保証が受けられるのは、施工店の施工ミスと塗料の製造不良に起因する不具合のみです。
例えば、職人の確認ミスで塗り残しがあったり、何らかの作業ミスで工事完了後1〜2年で塗装が剥がれてきたり、短期間で極端な変色が起こったりする場合です。その場合は施工店負担で直してくれます。
保証が受けられないケース
逆に保証が受けられないケースは、経年劣化・構造上の問題・自然災害・外壁要因に起因する不具合の4つです。
■経年劣化
経年劣化とは、年数と共に劣化してくる自然現象のことです。
塗装もまた、年月の経過とともに汚れやヒビ割れや色あせといった症状が出てきますので、そういった自然に劣化する経年変化は保証の対象外になります。
■構造上の問題
構造上の問題とは、お住まいの建て方や構造に問題がある場合です。
例えば、お住まいが地盤沈下により傾き、その影響で外壁が割れてしまったなどのケースでは保証は適用されません。
■自然災害
自然災害で起きた不具合も保証の対象外となります。
例えば地震による外壁のヒビ割れや、台風でモノが当たって出来たキズやヘコミやハガレなどは保証対象外です。
※自然災害の場合は住宅総合保険が適用できるケースがあります。
■故意・過失によるもの
故意・過失による不具合も保証対象外です。
例えば、あやまって外壁に自転車をぶつけて塗装が剥がれたり傷ついてしまったり、汚れを落とそうと高圧洗浄機を使用して塗装を剥がしてしまったなどです。
まとめると、外壁塗装工事とは全く関係がないところに起因する不具合については、基本的に保証の対象外ということになります。
外壁塗装の保証の適正期間(年数)について
続いては、外壁塗装の保証期間(年数)についてです。ここが外壁塗装の保証のキモになります。
今回は、保証期間についてよくある質問の中から代表的な4つをピックアップしてみましたので、しっかり理解できるまで何度も読んでみて下さい。
保証期間は何年が妥当?
保証期間は正直5年あれば十分です。
理由としては、先ほど説明した工事ミスによる不具合や塗料の製造不良に起因する不具合は、塗装してから3年の間に約9割出てくるからです。(日本ペイント談)
5年や10年経過して出てくる症状は、ほぼ自然災害や経年劣化によるものと考えられます。
保証期間は長い方が良い?
続いて、「保証期間は長ければ長いほうが良いのではないか?」という疑問について。
じつはこの保証期間に関しては業界でも賛否両論ありまして、例えば15年や20年といった長期保証は、「保証期間=塗装が持つ年数」だとお客さんに勘違いさせてしまうのではないか?という問題です。
繰り返しますが、外壁塗装の保証とはあってはならない不測の事態に備えた保証であり、その対象範囲である工事ミスによる不具合や塗料の製造不良による不具合の約9割は、工事してから約3年の間で発生しているわけです。
そう考えると15年や20年といった長期間保証はまったく意味がなく、単に塗装業者側の販売アピールのひとつでしかないということです。
塗料によって保証期間が変わる?
『塗料によって保証期間が変わるの?』という質問もよくあるんですけど、正直どの塗装業者さんも塗料グレードによって保証年数を変えています。
例えば、『シリコンは5年保証、フッ素は10年保証』といった感じです。
ただ、保証の意味合いから考えるとこれもおかしな話で、先ほど言ったように「保証期間=塗料が持つ年数」っていうふうにお客様が勘違いされてしまう原因の一つになってるんです。
「フッ素は20年持つから20年保証します」
これを電化製品で例えるならば「テレビはだいたい20年間観ることができるので20年保証します!」です。
こんなバカげた保証をする家電メーカーはありませんよね。19年目にテレビが映らなくなったら新品と交換してくれる…なんてことはありません。
ですから本来外壁塗装の保証も、塗料の品質にかかわらず同じ保証年数でないとおかしいわけですね。
会社が潰れたら保証はどうなるの?
外壁塗装の保証に関して一番多くある質問が、『会社が倒産したらどうなるんですか?』っていう質問です。
これに関しては、会社が潰れたら保証もなくなるということ以外ありません。
外壁塗装に限らずどんな製品でも、会社が潰れたら保証はなくなりますので、塗装業者さんを探す際には実績や歴史といった会社の信用面もしっかりと見極めて工事依頼することが何より大切になります。
外壁塗装の保証に関するトラブル事例とその対策
最後に、よくある外壁塗装の保証に関するトラブル事例とその対策を紹介しておきます。
トラブル事例その1:契約時の説明にダマされた!
◇トラブル事例 その1
【対策】必ず実際の保証書(現物)を見せてもらい、年数や内容を確認するようにしましょう。

保証トラブルで良くあるのが、説明してもらった内容と実際の保証内容が違っていたというケース。塗装業者は契約欲しさに多少オーバートークをする営業マンも多いので注意です。
トラブル事例その2:外壁以外は保証してくれない!?
◇トラブル事例 その2
【対策】免責事項は必ず確認しておきましょう。

外壁塗装の保証書には保証年数とは別に但し書き(免責事項)というものが書かれています。免責事項とは、保証が受けられないケースや受けられる条件を記したものです。お客さんにとって不都合な項目も多く説明しない業者も多いので注意。
トラブル事例その3:保証書をもらっていなかった!
◇トラブル事例 その3
【対策】保証書の受け取り・保管は確実におこないましょう。

一般的にまともな会社であれば保証書を紛失しても顧客データで管理されているので、対応してくれないことはないでしょう。しかし、まれに保証書がないと対応してくれない業者や、保証書自体をお客さんから指摘されるまで渡さないいい加減な業者もいます。工事後に確実に保証書の受け取りをおこない、紛失しないように大切に保管しましょう。
外壁塗装などの工事ごとは「言った言わない」の契約トラブルが多いことで有名です。どういったケースであれば保証対象になるのかなどを納得いくまで説明してもらいましょう。
外壁塗装の保証まとめ
さて、今回は外壁塗装の保証についていろいろお話ししてきました。
最後に、外壁塗装の保証に関する重要ポイントをまとめておきます。
■外壁塗装の保証期間と範囲について
- 適正な保証期間(年数)は5~10年
- 保証対象範囲は以下2点
1. 施工店の施工ミスに起因する不具合
2. 塗料の製造不良による不具合
- 保証対象外は以下4点
1.自然災害
2.建物構造上の問題
3.経年劣化
4.故意・過失によるもの
■外壁塗装の保証に関する注意事項
- 口頭だけでなく、契約前に必ず実物の保証書を見せてもらい確認すること
※それぞれの部位の保証年数や免責事項などもチェック!
- 保証は必ず書面(保証書)でもらい、大切に保管しておくこと
- 「保証期間が長いから安心」ではない
※15年や20年といった長期保証を売りにしてくる塗装業者には注意を!
外壁塗装の保証の仕組みを知るということは、じつは塗装業者を見極める力にも繋がっていきます。
保証してもらうことを前提として考えるのではなく、そもそも保証を使わなくて済むような、そんな工事をしてくれる塗装業者を選定していくことの方がよっぽど大切なんですね。
ぜひ本記事を参考にしていただき、より良い塗装業者を探してみて下さい。
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