塗装業界についての裏情報⇒裏側から見える本当の事情

 

今回は、現在の塗装業界について、思うところをそのままに書いていこうと思います。

実際20年以上この塗装業界にいるわけですけども、これだけ長いこといると、表も裏もイヤなほどに業界の事情が見えてきます。

 

でも、ほとんどの方はそんな事情など知るよしもありませんよね。

そして右も左もわからないまま、みな普通に工事を依頼しているんですよね。

 

いや、でももしかしたら知らない方が幸せなのかもしれません。

そんな気すらしてきます。

それぐらいこの業界、闇が深いってことです。

 

例えば、塗り替える際の塗料って色々ありますよね、正直悩むぐらいに。

でも、なんで新築の際には、屋根・外壁の塗料の説明がないんでしょう。

不思議に思いません?

部屋の間取りやら、屋根・壁の色などはあれだけ話し合って決めたりするのに。

 

しかも新築の約96%は、一番ランクの低い「アクリル塗料」を使って塗っています。

のちのち塗装しなくちゃいけないなら、なんで最初からもっといいのを塗ってくれなかったの?って思いません?

そうしてくれてたら、塗装は15年、20年先で良かったのにって。

 

ちなみに、ご自宅の塗料が何を使われているか知りたい方は、建築設計図面に記載されているので確認してみて下さい。

ほとんどが「アクリル塗料」と書いているはずです。

 

『なんで最初から長い塗料を塗らないの』っていう答え、先にお答えすると、「新築時にはなるだけコストを抑えて販売したい」っていうのと、「10年後にはメンテナンスの提案が出来るように」なんです。

やらしいでしょ?

 

でも、そんな不思議なことがこの業界、山ほどあるんです。

 

あ、それと誤解が無い様に先に言っときますが、僕がこういった話をする理由は、別に混乱を招く為とか、不安をあおる為にしているわけではないんです。

 

僕自身もこの業界に長年社員として勤めてきたんですけど、やってることがどうも納得できないところがたくさんあって、積み上げた全てを投げ捨てて独立起業しました。

 

「この塗装業界を変えていこう!」としたんです。

 

本気でそう思いました。

でも、さすがにそう簡単には変わりませんでした。

いち業者がどれだけ頑張ったところで、そんなすぐには変わるものでもないんですよね。

 

で、考えたんです。

 

これはやっぱりお客さん(ユーザー側)に助けてもらうしかないんじゃないかなと。

要するに、お客さんに変わってもらうしか、この業界を変える方法はないんじゃないかなと。

 

変わってもらうっていうのは、お客さんに正しい知識を付けてもらって、正しい判断が出来るようになってもらえると、いつしか業者も業界全体も変わらざるを得なくなるだろうなと。

その為に、ネット素人ながらこの情報社会を利用して、少しづつでもホントのところを発信していこう!と。

 

だから今回、あえて書こうと思ったんです。

何かを変えないと変わらないわけで。

 

これを読んでもらえた方が、少しでも何かを感じてくれたら嬉しいです。

 

目次

なぜ塗装工事は分かりずらいのか?

塗装は頻繁にしない⇒経験を生かせない

 

塗装工事が分かりずらい理由の一つは、「頻繁にする工事ではないから」です。

 

例えば、美容室などは月に一度ぐらいのペースで行きますよね。

仮に、新しいところに行ってみて失敗しちゃっても、今度はまた違うところに行けばいい。

そうやって実際に自分自身で体験することで、過去との比較が出来るようになるんですよね。

そしてどんどん自己判断能力が培われていきます。

 

ところが塗装は早くても10年に一度、それがなかなかできません。

 

例えば、初めて飛行機に乗った人に、JAL便とANA便の飛行機のサービスの違いや乗り心地を訊いても、的確な情報や答えなど返ってきませんよね。

ご近所から聞く塗装の話も、まさにそれと一緒です。

経験したことがないから、比べようがないんです。

唯一明確に帰ってくる言葉は「いくらかかったか」という金額の話のみです。

 

それが、塗装が分かりずらい、一つ目の理由です。

 

塗装は無形商材⇒手に取って比べられない⇒比較が出来ない

 

先程、経験が出来ないから比較も出来ない、と言いましたが、大型の電化製品や車なども、そう簡単に買い替えるものでもないから同じじゃない?と思われている方もいると思います。

 

でも、電化製品や車などは、使った経験がなくとも購入前に実際に手に取って触って見比べることが出来るんですよね。

これってすごく大きい違いなんですよ。

 

例えば携帯電話。

いまでは10万以上もする高級品になりましたが、それも手に取って商品の使い勝手や大きさ、機能などを比較できるんです。

その上で、商品を決めて、そして今度は価格の比較が出来る。

要するに、購入前にかなりの情報を手に入れた状態で、決断が出来るってことです。

 

では、塗装はどうなのか。

まず、塗装は購入前に手に取ってみることは出来ません。

そして、塗装の技術力については、これまた工事する職人の腕次第なので正直やってみないと分かりません。

しかも、塗ってからある程度年月経たないと、本当の良し悪し結果が出ない工事でもあります。

唯一、工事前に100%分かるのは使用する塗料の性能だけ、という現実です。

 

これが、塗装が分かりずらい、二つ目の理由です。

 

情報が偏っている⇒全て商売優先⇒敵対意識潰し合い

 

最後に情報が偏っている件について話しとかないといけません。

なにが、どう偏っているのか。

それを話す前に、「塗装業界の対立構図」を理解してもらわないと意味が分からないと思います。

 

まず、昔ながらの地域密着で塗装業をのんびり経営していた地元塗装会社。

そこに大手塗装会社が今までにない営業力を武器に、一気に勢力拡大します。

 

まず、ここで「一つ目の対立」が出来上がるわけです。

 

  • 地元塗装屋は、大手塗装会社(訪問販売含む)の営業のやり口を批判し、価格勝負で営業。

 

  • 一方で塗装専門会社は、常に時代の最先端の塗料を使い、塗装後の長期保証制度を新たに創り上げるなど、地元塗装屋と完全差別化を図る方針を打ち立てる。

 

まぁ確かに、一昔前は訪問販売業者は今では考えられないような悪どい営業手法をしていた業者もたくさんいました。

しかし、今は特商法や消費者保護法など法律の整備も充実し、なかなか変なことは出来ない時代になり、残っている会社はまともな会社ばかりになってきています。

 

その後、この塗装業界の図式を、ビジネスに出来ないかと考える会社が出てきました。

俗にいう隙間産業ってやつですね。

それがいまではネットでよく見る、「一括無料見積もりサービス」を提供している情報サイトです。

ユーザーは、ネットに申し込むだけで地域の塗装会社を数社紹介してもらい、無料で見積もりを取ることが出来るシステム。

 

サイトに登録している塗装業者は、大手に苦しめられている営業力の無い地元の塗装屋。

ようするに、自社のネット集客力を売りに、自分たちではなかなか仕事が取れなくなった地元塗装屋を勧誘していったわけです。

仕事が少なくなった地元塗装屋にとっては願ったりかなったりという訳です。

 

まぁ、実情はかなり違ったりするんですけど…。

この辺の裏情報は、また別の記事で詳しく書いていきますw

 

話を戻すと、地元塗装屋とタッグを組んだ一括無料見積情報サイト会社は、今度は一緒になって大手塗装会社や大手ハウスメーカーと対立するようになります。

 

これが「二つ目の対立」です。

 

ここで厄介なのが、一括無料見積情報サイト会社はネットでの集客力があるっていうところです。

もうわかりますよね?

 

「ネットビジネスが強み」=「地元塗装屋の良さをネットでガン押し」=「それ以外の会社は批判して蹴落とす情報を発信」っていう構造です。

 

今では誰もが簡単に、さまざまな情報をネットから取ることが出来る時代です。

これの何が怖いかって、ユーザーはネットで「外壁塗装」などで検索かけると、知らない間に必ずそういったサイトにたどり着き、それを信頼できる塗装の情報として読んでしまっているってことです。

 

なぜ知らない間にそのサイトを見ているのか?

 

それは一括無料見積情報サイト会社各社が、Google検索エンジン(SEO)で必ず上位に出てくるようにする為の、それ専門分野の会社だからです。

試しに『外壁塗装』で検索かけてみて下さい。

上位は、ほとんど一括無料見積情報サイトが運営している塗装情報になっています。

 

 

結局、こういった商売都合、ビジネス主体の偏った情報がネット上で蔓延していて、ユーザーがホントの正確な塗装の情報をつかみ取ることが極めて難しくなっている。

 

というのが、塗装が分かりずらい、三つ目の理由です。

 

なぜ、変な塗装業者が蔓延(はびこ)るのか?

数が多すぎる⇒塗装業界はすべて横並び⇒一流企業が居ない⇒トップシェアでも5%未満

 

「なぜ変な業者が未だに存在するか」ですけど、実は昔と比べたらずいぶんよくなったほうではあります。

先程話したように、法整備がされてきて悪いことしている会社はことごとく潰れていったからです。

とはいえ、まだまだ様々な業者が、色々な業態で塗装業をしています。

 

ですから、ユーザーが塗装工事で最も頭を悩ませているのが「業者選び」だと思います。

 

題名にも書いたんですが、この塗装業界はどれも横並びなんです。

ようするに、「シェア率10%を越える一流企業といわれるような会社」がいまだに出てきてないんです。

ですから、「塗装とはこうあるべきだ」という見本もない。

だから、「基準がない」=「各々が正解だと主張できる」という訳です。

 

このあたりが、「さまざまな業者を存在させてしてしまっている」=「業者選びが難しい」理由のひとつです。

 

塗装請負業には特に資格が要らない⇒ハードルが低い

 

「特に資格が要らない」

これも理由のひとつにあるかもしれません。

もちろん直接施工の塗装職人会社は、資格が要ります。

要らないのは、「塗装請負業」です。

塗装工事を下請け業者に依頼する、実質工事管理会社ですね。

 

ですから、新規で塗装事業を始める際の参入障壁が低いんです。

先程話した「いまだ一流企業が居ない」というのも新規参入する魅力に繋がっていると思います。 

 

塗装業の魅力は、工事前に簡単に原価が弾ける点です。

しかもその原価にほとんどズレが生じない。

そして、お客さんから集金したあとに下請け業者(塗装職人・足場屋)に支払い。

実質、ほぼ無借金経営が出来て、非常にキャッシュフローがいいんです。

結局、ビジネスとしては比較的ローリスクでの経営が可能となります。

 

ですから、大手塗装会社でノウハウをつちかった営業特化型の人間が、更に儲けようと独立起業するケースが多いのも塗装業界の特徴の一つです。

もちろんなかには「より良い、喜ばれる工事を」と、信念やビジョンを持ち、起業する人間もいるんですけどね。

 

まぁ、これが「塗装業界には色々な業者、会社がいる」理由の一つです。

 

ユーザーの塗装に対する知識がなさすぎる。

 

じつはこれが一番なのかなって思ったりします。

なにが一番かっていうと、「いろんな塗装業者が存在できる理由」です。

 

100万、200万の高額な買い物をするのに、その商品のことをほとんど理解せず、「会社の規模」や「口コミ」それに「人柄」などで判断して購入を決意する。

これって、ふつうでは考えられないですよね?

 

例えば、200万の新車買うのに、まったく知識がない状態で、「会社が安心できるから」「担当者が信用出来そうだから」って理由で購入をしないですよね?

 

その車にはどんな性能があって、いまの自分の利用価値と照らし合わせてみて、とか、そういった風に事前にいろんな知識を得てから購入を決断しますよね。

 

でも、塗装の場合は違うんです。

そんな普通では考えられないことが、普通にまかり通っちゃってるんです。

だから、ずるがしこい変な塗装業者が存在できているんです。

 

そして、ホントにいい工事をしようと正直に頑張っている会社や業者・職人達が、なぜか損する。

まさに、こんな構図が出来上がっていたりします。

 

どうしたらこの塗装業界が変わるのか?

ユーザーが知識を持って初めて、業界が変わり始める。

 

どうしたらこの業界が変わっていくのか。

 

このことに対して正直ホントずいぶん考え、悩みました。

 

やっぱり結論は、「会社・業者側が変わるだけではなく、同時にユーザー側により正しい知識を付けてもらうこと」だと思っています。

 

その為に、引き続き出来る限りの有益で、かつ公平な立場での情報を発信していきます。

 

この記事を読んでいただけた方には、今回なにかしら感じ取って頂けたら幸いです。

 

当サイトでは、塗装に関する記事をメインで書いていますので、良かったら読んでいってください。

オススメ⇒塗装の価格・相場っていくら?価格の仕組みをお教えします。

 

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この記事を書いた人

年商6億の元塗装会社社長がお届けする外壁塗装の豆知識。業界20年の経験・体験をもとに、他では聞けない役立つ情報から裏情報までお届けしています!
<これまでの経歴>
大手不動産会社勤務、大手塗装会社勤務、2015年塗装会社設立、約20年以上にわたり建築塗装全般に携わり、現在は塗装業のコンサル事業を展開。

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