そういえばあなた、このあいだ塗装屋さんからお声かけがあったわよ。
えっ?うちの壁は塗装しなくていいタイプじゃないのか?
そうよね、タイルだと思っていたけど違うみたい…
私も長年塗装業をしていますが、窯業系サイディングと本物のタイルを勘違いされてるお客さんが非常に多くいらっしゃいます。
これは、新築時に「この外壁はメンテナンスフリーですから」と誇大な説明を受けて、メンテナンスが不要な外壁=タイルと勘違いしてしまっていることが原因だと考えられます。
そこで今回は、
外壁が本物のタイルかタイル調のサイディングかを見分ける方法
について分かりやすく解説していきます。
さらに、それぞれの外壁に合ったメンテナンス方法についても軽くご紹介していますので、ぜひ今後のメンテナンス計画にお役立てください。
本物のタイルとタイル調サイディングの見分け方
本物のタイルかタイル調のサイディングかを見分ける方法は意外と簡単です。ぜひ、ご自宅の外壁を見ながら確認してください。
1. 出隅のシーリングの有・無を確認
一番簡単な方法は、「外壁の出隅部分にあるシーリングの有・無を確認する」です。
※出隅とは、角(コーナー)のことです。
窯業系サイディングは必ず出隅に役物がはめられており、その繋ぎ目に2本のシーリングが打ってあります。一方で、タイルはシーリングが施されていません。
画像引用:https://nichiha-bk.co.jp/service/index.html
2. 外壁を叩いてみる
続いての確認方法は「外壁を軽く叩いてみる」です。
サイディングボードは、叩くと鈍くこもった音がします。一方タイルは軽くて乾いた音がします。
タイル |
サイディング | |
叩いた音 | カンカン | ボンボン |
振動 | 伝わりにくい | 伝わりやすい |
比較するものがない場合は、キッチンやトイレ、お風呂などのタイルで確認しましょう。ただし、あまり強く叩きすぎるとタイルが割れたりサイディングが傷ついたりするので注意してくださいね。
3. 図面を調べる
それでもよく分からないって方は、図面を確認してみましょう。外壁に使われている素材が明記してあります。
ただし、最終確定の図面じゃないといけません。途中でプランが変更になっているケースもあるので、必ず確認申請用の最終図面を確認するようにしてください。
タイル調サイディングのメンテナンスについて
もしあなたのお住まいがタイル調のサイディングボードで、かつ今の外壁の柄が気に入っているのであれば、早めの塗装工事をおすすめします。
塗り替えで使用する塗料は、クリア(透明な)塗料です。
このクリア塗装は、サイディングの柄をそのままに防水性を高めるコーティングの役割があり、外壁をきれいな状態で長く保つことができます。
しかし、一度サイディングの柄が色あせし始めるとクリア塗装は塗れません。塗料は透明ですから、劣化した状態で仕上がってしまうためです。ですから、クリア塗装を塗るならまだサイディングがきれいな状態の築7年あたりを目安に塗装するのがベストです。
今の柄を全部塗りつぶしてもいいって方は、築10年あたりが塗り替え目安です♪
より詳しい情報は以下記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
外壁タイルのメンテナンスについて
続いて、外壁が本物のタイルのメンテナンスについても軽く触れておきます。
「本物のタイルなんだからメンテナンス不要でしょ?」と思われるかもしれませんが、じつはそんなことありません。むしろ、タイルは意外とメンテが大変なんです。
外壁タイルの劣化症状
タイル自体はほとんど劣化しませんが、タイルの目地(モルタル)やコーキングは劣化します。これらの劣化した箇所から次第に雨水が侵入し、最終的にタイルの剥がれや割れといった症状に繋がってきます。
特にタイルが割れてしまうと厄介で、その頃には同じ柄のタイルが生産中止で手に入らないなんてことが起こりますので、今のうちに建てた工務店やメーカーに相談して、ある程度の枚数のタイルをストックしておくことをおすすめします。
外壁タイルにおすすめの塗料(タイル目地の保護)
外壁タイルを長くきれいに保つ方法の一つに「塗装」があります。
以下の商品は、タイル専用の塗料です。タイルの目地(モルタル)の防水力を高め、劣化を防いでくれる塗料となりますので参考までに。
※塗料は無色透明。
※光触媒タイルは施工不可。
※撥水剤は見た目が変わらず、クリアはツヤが出る。
どのみち付帯部(雨樋や雨戸、破風板など)は足場を架けて塗装しなくてはいけないので、そのタイミングでコーキングの打ち替えやタイルの塗装も検討されてみても良いかもしれません。
まとめ:本物のタイルとタイル調サイディングの見分け方
今回は、自宅の外壁が本物のタイルか?それともタイルの柄をしたサイディングなのか?を見分ける方法、そしてそれぞれの外壁のメンテナンスについて紹介してきました。
■タイルとサイディングの見分け方
タイル | サイディング | |
出隅(コーナー) | コーキングなし | コーキングあり (必ず2本) |
叩いた時の音 | カンカン 乾いた音 |
ボンボン こもった音 |
図面の記載 | 磁器タイル せっ器質タイル |
窯業系サイディング |
最近のサイディングはかなり精巧に造られていますので、パッと見ただけでは本物のタイルかサイディングか見分けがつかないですよね。
でも、今回ご紹介した方法を実践していただくと誰でも簡単にタイルがサイディングかを見分けることが出来るはずです。
ご自宅の外壁に一番最適なメンテナンス方法を検討して、大切なお住まいをより長くよりキレイな状態で維持管理していきましょう。
■クリア塗装に関する情報
➡︎タイル調・レンガ調のサイディングの塗装時期(塗り替えタイミング)に注意!
➡外壁のクリア塗装はどんな人に向いている?デメリットやよくある質問Q&A
■コーキングについての情報
➡︎外壁塗装のコーキング(シーリング)工事とは?修繕の種類や費用相場について
■賢い相見積もりの取り方