新築してから約10年で屋根や外壁は塗装時期を迎えるわけですが、そこで多くの方が悩むのが太陽光パネルを載せてある屋根塗装の工事方法。
- うちの屋根には太陽光パネルが載ってるけど塗装できるの?
- 太陽光パネルってやっぱり外して塗装するものなの?
- そもそも脱着費用ってどのくらいかかるの?
- パネルの脱着を塗装屋さんに頼んでも大丈夫?
そんな疑問をお持ちの方に是非読んでいただきたい内容になります。
ちなみに私は20年以上塗装業に携わっていて、今回は塗装屋目線から太陽光パネルの脱着をした方が良いのかどうか、そして仮にするならばいくらぐらいの費用がかかるのか、どういった点に注意しておけば良いか?といった疑問点を分かりやすく解説していきます。
太陽光パネルの下の屋根は塗装するべき?脱着してでも塗った方が良い?
太陽光パネルの下の屋根瓦は塗装するべきか?についてですが、結論からいうとおすすめしません。太陽光パネルの下の屋根瓦は触れず、それ以外の部分の屋根のみ塗装することをおすすめします。
パネルの下を塗装しない方が良い理由は2つあって、
- 1つ目が、太陽光パネルを脱着することで不具合が発生するリスクがあるため。
- 2つ目は、パネル脱着費用として最低でも別途20万ほど必要になる。
です。
2つ目の「脱着費用がかかる」のはやむを得ないとしても、問題は太陽光パネルの脱着です。
太陽光パネルと屋根瓦との隙間が十分に空いていて塗装できるスペースがあれば脱着の必要はないんですが、そうでなければいったん太陽光パネルを取り外し、それから屋根塗装した後にまたパネルの取り付けを行わなないといけないのです。この脱着作業がまぁなんとも曲者なんです。
屋根塗装時に太陽光パネルを脱着するリスクとよくあるトラブル事例
太陽光パネルを脱着をすることでどのようなリスクがあるのか?さらには実際にどのようなトラブルが起こっているのか?について詳しく説明しておきます。
こういった事情を知らずに安易に脱着工事してしまうと必ず後悔する羽目になるので、パネル脱着してでも屋根塗装しようと検討中の方は必ず読んでください。
太陽光の発電量が低下した
太陽光パネルの脱着を行ったことで発電量が低下したという報告も少なくありません。原因は、脱着作業中に付いたパネル表面の傷や汚れ、それに設置角度の調整不足などが考えられます。
特に塗装屋などに脱着工事を依頼した場合に多く報告されていますので注意!ハッキリ言って塗装屋は太陽光に関しては完全ド素人です。
屋根から雨漏りするようになった
現状のパネルの設置方法や脱着する方法にもよりますが、何かしらの原因で屋根が破損して雨漏れにつながるケースも多く報告されています。
太陽光パネルが落下
取り付け時に太陽光パネルをしっかりと固定できておらず、パネルがズレてきたり、最悪落下してくるなんてことも。
屋根の塗装をしてもらう業者が『うちでも脱着できますよ』といっても絶対に頼まないようにしましょう。必ず設置してもらった太陽光業者に依頼するようにしましょう。
足場代が2重にかかるケースも
太陽光業者に脱着依頼する場合は、脱着のためだけに別途足場が必要になるケースがあります。
『外壁塗装工事で足場を組んでいるんだから、その足場を利用させてもらったら良いのでは?』と思われるかもしれませんが、実はそんな簡単な話ではありません。
足場には万が一の事故に備えて保険がかけられています。それをまったく関係がない太陽光業者がお金も払わずに使用することは基本的に出来ないのです。
例えば、太陽光パネルの脱着作業中に部品が落下して通行人や施主様にケガを負わせてしまった場合、作業していた太陽光業者だけでなく、足場業者も管理責任を問われるケースがあります。
当然ながら足場業者は太陽光パネルの脱着用ではなく塗装工事用として足場を組んでいるわけですから、「足場の組み方に問題があったんじゃないか?」と責任を問われてもおかしくないわけです。
そういった視点から考えると、足場業者は安易に外壁塗装工事以外での足場使用を許可することはできないのです。
太陽光パネルの設置業者のアフター対応がなくなる(保証対象外)
仮に、太陽光パネルを設置してもらった業者以外に脱着依頼した場合、それ以降はその業者はアフター対応してくれなくなります。
例えば太陽光パネルになんらかの不具合が発生しても、別の業者が途中で脱着工事しているため、どこに原因があり誰の責任なのかが特定できなくなるわけです。
太陽光パネルの脱着作業には上記以外にもさまざまなトラブルが発生しており、そういったリスクを考えると、太陽光パネルは一切触らずに、パネルが載っていない屋根飲み塗装を行う方法が最善という結論にたどり着くわけです。
太陽光パネルを脱着してまで屋根を塗装しなくて良い理由
では続いて、「太陽パネルの下は塗装しなくても大丈夫なのか?」「劣化が進み雨漏りしたりしないか?」という不安や疑問についても説明しておきますね。
ご存知の方も多いと思いますが、塗装は紫外線(太陽光)によって分解され、徐々に劣化していきます。しかし太陽光パネルが載っている部分は影になり、直接太陽光が屋根瓦に当たることはほぼありません。
例えば、日差しの強い南側ベランダの外壁と陽が当たらない北側の外壁を比較してみるとわかりやすいんですが、その劣化速度は一目瞭然です。ですから陽が当たらない太陽光パネルの下は、想像しているより劣化していないのです。
むしろ太陽光パネルが日傘の役目をしてくれて、屋根を守ってくれているんですね♪
どうしても太陽光パネルの下も塗装したいなら設置してもらった太陽光専門業者へ脱着依頼を
「どうしてもパネルの下が気になる」って方や、「お金をかけてでも完璧に屋根を仕上げたい」という方は、太陽光を設置してもらった専門業者に脱着をお願いすることを強くおすすめします。
間違っても塗装業者に依頼しないようにしてください。十中八九失敗します。理由は先に説明した通り、太陽光を設置してもらった業者の保証がなくなるからです。
塗装業者によるソーラーパネルの脱着は絶対ダメです!
これから太陽光パネルを設置しようかと考えられている方へ
これから太陽光パネルの設置を検討されている方は、まず先に屋根塗装を済ましてから太陽光を載せるようにしましょう。
塗料はなるべく耐用年数の長いハイグレードな材料を選ぶのが良いでしょう。例えばフッ素や無機といった高性能塗料です。多少コストは上がりますが、長期的に考えれば間違いなく得策です。
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まとめ:【屋根塗装】太陽光パネルの下はどうするべき?脱着してでも塗装した方が良い?
ということで、今回は太陽光パネルが載っている屋根はどのように塗装すれば最も良いのか?について解説してきました。
✅本記事のまとめ(ポイント)
- 太陽光パネルの下は触らず、それ以外の部分の屋根瓦のみを塗装するのがベター。
- どうしても太陽光パネルの下を塗装したいなら、必ず設置してもらった太陽光業者に脱着依頼をする。他業者に依頼すると保証が切れアフター対応をしてもらえなくなる可能性がある。
- 太陽光パネルの脱着費用は最低でも20万。さらに別途足場代が必要なケースも考えられる。
- これから太陽光パネルを載せようと考えている方は、先に屋根塗装をしてから設置すること。屋根に塗る塗料はできる限り高性能な塗料を選ぶ方が良い。
太陽光パネルの脱着についてはなかなか経験してみないと分からない不具合も多いので、ぜひ本記事のトラブル事例などを参考にしてもらいつつ、あなたに合ったより良い外壁塗装工事に繋げてもらえたら幸いです。
当サイトでは他にも外壁塗装工事に関連する役立つ記事を掲載していますので、ぜひ参考にしてください。