外壁塗装の見積もりを取ったら一番最初に目につくのが「足場代」ですよねー。

外壁塗装をしようにもこの足場代ってのが高いんだよなぁ…。足場はどうにかならないもんかねぇ…
長年塗装業をやっているとそんな声がしょっちゅう聞こえてきますが、今回は外壁塗装の足場にフォーカスして「なぜ足場はそんなに高いのか?」、そして「足場を安くする方法はないのか?」と誰もが一度は考えるであろう疑問について掘り下げていきます。
本記事では、外壁塗装工事でかかる足場費用の相場を紹介、さらに足場代を安くする3つの方法を解説していますので、ぜひこれから行なう外壁塗装工事にお役立てください。
外壁塗装工事で足場代が高いと言われる理由

高い高いといわれる外壁塗装の足場代ですが、その費用相場は約15〜20万となります。
確かに単体で見ると高い金額なんですが、外壁塗装にかかる工事総額からすると足場の占める割合ってわずか10〜15%ほどなんですよね。
ではなぜ「足場が高い」というイメージが浸透してしまっているのでしょうか?その理由は2つ考えられます。
足場は塗装工事をするためのものであり、手元には何も残らないため
まず一つ目に、足場はあくまでも塗装作業をするために組まれるものであり、工事が終われば全て回収され、あなたの手元には何も残らないという点です。
20万と言う大金を支払っていながら結局何も手元に残らないわけですから、「もったいない」「高い」といった気持ちが湧いてくるのも当然ですよね。
なかには「なぜ作業するための道具をうちが支払わなくちゃいけないんだ?」という方もいたり。確かに言われてみるとなんだかなぁと思えてきますよね。
足場は費用が高い割に実労働日数が少ない
足場が高いと感じるもう一つの理由は、その作業時間です。
足場は外壁塗装の工事初日に半日ほどで組み上げ、工事が終わる時にまた半日かけて終わります。もちろん家の大きさや立地状況によって作業時間は異なりますが、一般的なお住まいならば作業日数は約2日、時間に換算するとたった16時間ほどしか作業していない計算なんですよね。
そこに20万近いお金を支払うわけですから、どうしても足場は高いと感じてしまう方が多いのも頷けます。

でも、足場は危険が伴う高所作業、しかもかなりの重労働ですから決して高い訳ではないんですよ♪
足場を組まずに外壁塗装工事はできる?
では逆に「足場なしで工事すれば安く済むんじゃない?」なんて思われる方もいると思いますが、残念ながら足場を組まずに外壁塗装工事をすることは出来ません。
労働安全衛生規則
(作業床の設置等)
第518条 事業者は、高さが2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそ
れのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければな
らない。
厚生労働省 「労働安全衛生規則」より引用
上記は厚生労働省ウェブサイトからの引用ですが、2メートル以上の高所作業においては足場を組むことが法律で定められているんですね。ですから、足場を組まずに屋根や外壁の塗装工事をするわけにはいかないのです。
それに、せっかく家をきれいにしようと思い切って行った外壁塗装工事なのに、万が一作業中に事故など起こればそれこそ後味の悪いものになってしまいますし、やはり工事ごとは安全第一がモットーです。
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外壁塗装の足場費用を安くする3つの方法
高い足場代を払ったとしても手元には何も残らない、それでも足場は組まなくてはいけない、となると最後は「いかに足場代を安くするか?」がテーマになってきますよね。
そこで今回は、私の20年以上にわたる業界経験を踏まえて、外壁塗装の足場代を安くする方法をいくつか紹介しますので参考にしてください。
①大手塗装業者には頼まない
足場代を安く済ませる一つ目の方法は、大手の塗装業者に頼まないことです。
足場費用は依頼する塗装業者によって大きく変わります。例えば、積水ハウスや大和ハウスなどの名の知れた大手ハウスメーカーなどは特に足場代が高い傾向にあります。
理由は、足場を外注するために中間マージンがかかることと、新築工事に架けるかのような無駄に豪華な足場を組むためです。
もちろん見た目は立派でゴージャスなのですが、さきほど説明したように足場は工事が終われば回収されてしまうものですし、足場の豪華さと工事品質は関係ありませんので、ある意味見栄や自己満足の世界でしかないのです。
②自社で足場を組む塗装業者に依頼する
足場を安く済ませる二つ目の方法は、自社で足場を組める塗装業者に依頼することです。
塗装業者の中には、自社で足場まで組み上げてしまうところもあります。例えば、足場も塗装も出来る凄腕職人集団であったり、社内に塗装とは別に足場部門があり、足場職人を社員として抱えているような業者です。
このような会社は、足場を外注する(足場業者に依頼する)必要がなくなるので、足場代が2〜3割程度安く済むはずです。ただし、足場の見栄えは多少悪くなることもあるので、そこは期待しないように。
③単管足場を組む塗装業者に工事を依頼する
足場代を安く済ませる三つ目の方法は、単管足場を組む業者に塗装工事を依頼することです。
外壁塗装で組まれる足場には主に2種類あり、それによって足場代も変化します。
✅単管足場

単管足場とは、二本の鉄パイプをクランプという接続金具で固定して組みあげる足場工法です。
足場の見栄えは決して良いとは言えませんが、足場代は平米単価で500〜900円/㎡とかなり安く済みます。敷地スペースが狭い場合に使用されたり、自社で足場も組めるような塗装会社がよく使用しています。
✅くさび式足場(ビケ足場)

くさび式足場とは、それぞれの足場パーツをハンマーで打ち込んで組み立てていく足場工法です。通称ビケ足場とも呼ばれ、新築時や外壁塗装工事でよく見る一般的な足場工法となります。足場価格は1000〜1500円/㎡と単管足場と比較すると高額です。
足場といえば「くさび式足場」をイメージする方も多いので、単管足場をみたお客さんの中には「足場を手抜きされた」「いい加減な工事をする業者だ」などと勘違いする方も多いのですが、じつはその逆で、塗装作業的にも工事の品質においてもなんら影響はなく、かつお客さんにとっても懐に優しい合理的でwin-winな足場なんです。

脚立(はしご)を並べて道板(木の板)を敷いただけのような簡易足場はダメですよ♪
まとめ:足場はなぜ高い?外壁塗装の足場費用の相場と安くする3つの方法

ということで今回は、外壁塗装工事の足場費用について、そして足場代を安くする3つの方法を紹介してきました。
外壁塗装工事において足場代を気にされる方はかなり多いんですが、意外にも知っているようで知らなかった項目も多かったのではないでしょうか。
最後に、本記事の内容をまとめておきます。
✅足場が高いと感じる理由
- 外壁塗装工事が終われば何も残らない
- 高い足場代を支払った割にはすぐ終わる
✅外壁塗装の足場費用を安くする3つの方法
- 大手業者に頼まない(特にハウスメーカー)
- 自社で足場を組む塗装業者に依頼する
- 単管足場を組む塗装業者に工事を依頼する
個人的には、工事が終われば何も残らない足場に高いお金をかける意味も価値もない気がしますし、ちゃんとした塗装工事が出来て、かつ安全が確保されているようであれば足場は安いに越したことはないのかなと感じています。
もちろんどのような方法で行なうかという最終的な判断は、あなた自身の考え方や価値観によって変わってくるものですから、本記事も参考にしていただきながらあなた自身の最適解を導き出していくようにしてください。本記事が少しでもお役に立てたのなら幸いです。
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