塗料缶数をごまかされていい加減な塗装工事をされた…
塗料を水で薄められて塗られた…
外壁塗装の塗料に関してはネガティブな噂があとを絶ちませんよね。
「騙されたくない、失敗したくない」という思いから、すべてが疑心暗鬼になってしまっている方も多いのではないでしょうか。
しかも、外壁塗装の見積書には塗料の「商品名」や「メーカー名」は書いてあっても、塗料を何缶使用するのかという「塗料缶数」の記載がないことがほとんどですしね。
そこで今回は、
といった疑問にお答えしています。
お手持ちの見積書から塗料缶数を計算する方法も分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
塗料一缶でどのくらいの面積(m2)塗装できるの?
塗料一缶(一斗缶)で塗装できる面積は、塗料一缶の容量、種類、素材によって大きく変わりますが、おおよそ100〜150m2です。
ただし、塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3工程(3度塗り)が基本ですから、仮に外壁面積が150㎡であれば合計450㎡の面積を塗装することになります。
✅外壁150m2を塗装するために必要な塗料缶数
工程 | 必要な塗料缶数 |
下塗り (150㎡) |
1〜2缶(※シーラーの場合) |
3〜8缶(※フィラーの場合) | |
中・上塗り (150㎡×2=300㎡) |
3〜4缶 |
※下塗り(シーラー・フィラーの選択)は外壁によって変わります。
※フィラーの1缶当たりの塗り面積は約20〜60㎡です。
見積書の塗装面積(m2)から必要塗料缶数を計算する方法
見積書の塗装面積(m2)から必要塗料缶数を計算する方法について順を追って解説していきます。
- ステップ①見積書に書かれた塗料商品名を確認
見積書に記載された下塗り・中塗り・上塗りのそれぞれの塗料の商品名を確認しましょう。もし見積書に塗料名やメーカー名の記載がなければ、業者に直接確認するようにしてください。
- ステップ②塗料メーカーのウェブサイトで塗料カタログを確認
各塗料メーカーのウェブサイトで先程の商品名の塗料カタログ(PDFファイル)を探してください。マイナーな塗料メーカーの場合はカタログがないケースもありますので、その場合は塗装業者にパンフレットをもらいましょう。
- ステップ③塗料カタログに記載されている標準塗布量(使用量)を確認
標準塗布量とは「1㎡の面積に対しこのくらいの量の塗料を塗ってくださいね」という塗料の取り扱い仕様書です。標準塗布量は塗料の種類によって違いますので、下・中・上塗りごとに調べるようにしましょう。
- ステップ④塗料の容量(㎏)を確認する
つぎに、カタログに載っている塗料(主材)の容量㎏を確認します。塗料液12.5㎏+硬化剤2.5㎏といったように2つセットで一つの塗料になっている場合には、塗料液(主材12.5㎏)のみの容量を確認するようにしてください。
- ステップ⑤塗料缶数を計算してみる
塗料の容量kg/標準塗布量で、一缶で塗装できる平米数がわかります。今度はそれを見積書に書かれている塗装面積で割るとおおよそ必要な塗料缶数が計算できます。
なんで外壁塗装の見積書には塗料缶数が書かれていないの?
見積書に塗料缶数が書かれていない理由はいくつか考えられますが、一番の理由は見積もりが複雑化するから(分かりづらくなるから)です。
上図のように、一般的な見積書は「面積 × ㎡単価 = 費用」で計算されていますが、㎡単価には塗料代と手間代が含まれています。
そのため、塗料缶数を見積書で表すとしたら
という感じに平米単価をさらに分割しなければいけません。そうでなくとも分かりづらい見積書、できる限り分かりやすく簡略化した結果、今のかたちに落ち着いているんですね。
その他にも、家の状態や外壁の種類によって塗料の吸い込み具合がかなり変わるので、実際に塗装してみないとどのくらいの塗料缶数が必要なのか分からないといったことも理由の一つです。
たとえ塗料を何缶使うことになったとしても、きっちり塗装工事するのがプロの責任ですね♪
塗料何缶を見積書に書いたら利益がバレるから書かないのでは?
塗料を何缶使うかを見積書に記載しても、塗装屋さんの利益が分かる(バレる)ことはありません(笑)
ただし、なかには「塗料を何缶使うか書いてしまうと手抜きがバレる」と考え、あえて塗料缶数を見積書に記載しない悪い塗装屋さんもいるかもしれませんね。
でも、塗料代の占める割合は工事全体費用の約15〜30%ほどしかないんですよね。ですから、塗料缶数を一缶、二缶誤魔化したところで大きな利益を得られるわけではないんです。
✅外壁塗装工事費の内訳比率
- 塗料代:15〜30%
- 手間代:30〜40%
- 足場代:10〜20%
- 利 益:15〜40%
※上記は私見に基づいた比率です。塗装業者の形態や地域によっても多少の変動はあります。
上の内訳比率を見て分かるように、一番高いのは塗料代ではなく作業費(人件費)なんです。
ちゃんと必要な塗料缶数が使われているか不安という方のための対処方法
塗料を水に薄めて伸ばして塗装されたりしないだろうか
ちゃんと塗ってもらえるだろうか?
こういった手抜き工事を心配をされている方は、見積もりしてもらった塗装業者に「なんの塗料を何缶使用するのか」と聞いてみると良いでしょう。まともな塗装業者ならきっと答えてくれるはずですよ。
あと、「塗料の出荷証明書」を提出してくれる会社もあります。これは、塗料代理店が「どのメーカーのどの商品(塗料)を何缶出荷しましたよ」という証明書です。
それでもまだ不安な方は、到着した塗料を直接見せてもらったり、玄関先ですべての塗料を並べて写真に収めてもらっても良いかもしれませんね。
ただし、塗装屋さんによっては新品の塗料ではなく、在庫塗料(余っている塗料)を使用するケースもありますので、その場合はちょっと難しいかもしれませんね。
まとめ:塗料一缶でどのくらい塗装できる?
さて、今回は「外壁塗装に使う塗料は一缶でどのくらいの面積(m2)塗装できるのか?」をテーマに、それに関連する「塗料缶数の計算方法」などをお届けしてきました。
冒頭でもお伝えした通り、「外壁塗装は難しい・すぐ騙される」といったネガティブなイメージが強いので、疑問に感じることは解消し、なるべく慎重に納得した上で工事をすすめていくことはとても大切なことですね。
ただ、私ども業者サイドとして一つだけお願いしたいのは「外壁塗装は生身の人間がする工事」ということも忘れないでほしいなと思います。
最初から敵対心むき出しで来られ、1から10まですべてを疑い、我々の説明もろくに聞いてくれない。そんなお客さんもいたりします(笑)
これではやはり良い工事(取引)はできないですよね。というか、そんなお客さんとは取引したくない、と業者さんに思われてしまいます。
今回の塗料缶数の件に限らず、分からないことや疑問に感じたことはその場で業者さんに聞いてみるなりしてしっかりとコミュニケーションを図り、その上でどの見積もりが良いかを冷静に判断していくことが外壁塗装工事を成功させる秘訣だと思います。
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