いざ外壁塗装をしようと思ったら一番最初に出てくる悩みが「業者選び」です。
新築してから10年前後には、直接訪問してくる訪問販売業者や、家を建ててもらったハウスメーカーや工務店など、いろいろな業者が外壁塗装の提案をしてくるはずです。
外壁塗装はどこに頼めば良いのかな?業者ごとの違いとかあるのかな?特に相談する相手もいないし、みんなどうしてるのかな?
と、こんな感じでなかなか一人では解決できないことも多いはずです。
そこで今回は、塗装業界歴20年の私がそれぞれの業者の違いや特徴、そして各業者に依頼した場合のメリット・デメリットなどを初心者でもわかるように開設していこうと思います。
記事後半では、私ならこんな業者に外壁塗装工事を依頼する、という理想の業者像も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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外壁塗装業者の種類とそれぞれの特徴やメリット・デメリット
まず、外壁塗装工事を行う会社(業者)は、大きく分けて6種類あります。
- ハウスメーカー
- 工務店
- 大手リフォーム会社
- 地元塗装店
- 訪問販業者
- 家電量販店・ホームセンター
そして、これら6種類の業者からどの業者を選ぶかにより
- 「価 格」
- 「提案力」
- 「安心感」
が変わってきます。
そして下記が、より分かりやすいように各業者ごとに特徴や傾向をまとめた表になります。
ハウスメーカー | 工務店 | リフォーム会社 |
地元塗装店 |
訪問販売業者 | 家電量販店 ホームセンター |
|
価 格 |
高い |
普通 | 高い | 安い | 高い | 普通 |
下請け | 下請け | 下請け | 自社施工 | 下請け | 下請け | |
提案力 |
△ | × | △ | ◯ | ◯ | × |
安心感 |
◯ | ◯ | △ | △ | × |
△ |
なんとなく各業者ごとの特徴や傾向は把握できましたでしょうか?
では、それぞれの業者の特徴やメリット・デメリットをより具体的に解説していきます。
ハウスメーカー
ハウスメーカーの特徴と傾向
ハウスメーカーは、全国展開している総合建設業です。
一昔前までは、ハウスメーカーのお住まいは無条件でハウスメーカーで外壁塗装する時代でしたが、最近ではそれもかなり減ってきました。
理由としては、誰もが簡単に情報を得られる時代になった影響だと思います。
※ハウスメーカーに外壁塗装工事を依頼する方は、基本的にそのハウスメーカーで家を建てた方になります。それ以外の方がハウスメーカーに塗装工事をお願いすることはあまりありません。
ハウスメーカーのメリット
家のことをよく知る建設会社でもあり、新築からの付き合いもあるので、まったく見ず知らずの会社に塗装工事を任せるよりは失敗のリスクが減らせます。
最近では、メーカーが指定する有償メンテナンス工事を受けることで、住宅保証の延長を行うハウスメーカーも増え、さらに安心感を感じることができるでしょう。
ハウスメーカーのデメリット
先ほども説明しましたが、ハウスメーカーの外壁塗装は下請け業者が行います。
それは塗装だけに限らず、塗装工事に不可欠な足場工事から補修工事まで、すべての工事が下請け→孫請けといった流れで業者に依頼していきますので、その分だけ中間マージン(手数料)が乗っかります。
さらに、大手特有のブランド料もそこに乗ってきますので、一般的な相場よりはかなり高額な塗装工事費になります。
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工務店
工務店の特徴と傾向
工務店は、地域密着型の総合建設業の会社となります。
工務店の特徴としては、それぞれの分野ごとに古くから付き合いのある専門の下請け業者を抱えており、家の細々した小さなリフォーム工事から新築といった大きな工事まで柔軟に対応してくれます。
工務店のメリット
もしあなたが外壁塗装だけではなく、お風呂やキッチンなどの水周りリフォームや、ちょっとした工事も同時にやりたいと考えているのであれば、柔軟に対応してくれる工務店は便利に感じるはずです。
それと工務店のもう一つの利点は、地域密着型という点です。
アフター対応含め、今後の専属ホームドクターを探している方などは良いかもしれません。
工務店のデメリット
工務店は建築全般の知識はありますが、それぞれの分野の専門的な知識までは持っていません。
ですから、外壁塗装に関してもどうしても下請け業者任せな感が否めず、トレンドの塗料や最新の塗装などを望まれている方にはちょっと不向きかもしれません。
※工務店の外壁塗装に関するまとめ記事はこちら
大手リフォーム会社
大手リフォーム会社の特徴と傾向
大手リフォーム会社とは、家に関するリフォーム工事全般に対応している会社のことです。
大手リフォーム会社では、「LIXILリフォーム」や「住友不動産の新築そっくりさん」や「ニッカホーム」あたりが有名です。全国展開している会社ばかりなので、どの地域にもたいてい対応しています。
大手リフォーム会社のメリット
大手リフォーム会社は、実績数や知識も豊富で最新トレンドのリフォーム事情も詳しいため、外壁塗装と併せてリフォーム工事も一緒にしようと考えている方にはメリットがあります。
大手リフォーム会社のデメリット
大手リフォーム会社は、ハウスメーカーや工務店と同様にいろいろな工事に対応できるのですが、自社での工事は行わず専門の下請け業者に工事を依頼しますので、外壁塗装も含めどうしても工事価格が高くなります。
地元塗装店
地元塗装店の特徴と傾向
地元塗装店は、塗装職人で構成された自社施工店です。
職人という職業柄なのかあまり営業を得意とせず、どちらかというと大手ハウスメーカーや大手リフォーム会社などの下請けに入り仕事を受けることが多い傾向にあります。
ただ、最近ではインターネットを使い独自の集客スタイルを確立している凄腕塗装店も増えてきています。
地元塗装店のメリット
地元塗装店の最大のメリットは工事価格の安さです。
今回紹介した業者の中で、唯一自社で塗装工事をする形態をとっており、下請けを使わない分、一番安く工事ができると言えるでしょう。
最近注目されている「一括見積もりサイト」などで紹介される塗装業者は、ほとんどがこの地元塗装店になります。
地元塗装店のデメリット
地元塗装店の唯一のデメリットは、着工から完工まですべて自社で管理する点です。悪く言えば、いくらでもごまかしが効くということです。
例えば、ハウスメーカーやリフォーム会社などは直接工事をしない代わりに、独自の基準を設けて現場の管理を行い、万が一基準に満たなければ、あなたの代わりに指示を出し工事をやり直させたりします。
しかし自社ですべてを完結してしまう塗装店タイプは、基準も自社判断となりますので、よほど信頼のおける塗装店に依頼しないと失敗する恐れもあります。
訪問販売業者
訪問販売業者の特徴と傾向
訪問販売業者は、外壁塗装の「営業スペシャリスト会社」です。
訪問販売業者と聞くと「騙されるのでは?」と不安に感じる方も多いでしょうが、2000年11月の「特定商取引法の大改正」以降、悪質な訪問販売業者の数は年々減少しています。
とはいえ、やはり営業に特化した会社ばかりなので、上手な口車に乗らないように慎重に検討する必要がありそうです。
訪問販売業者のメリット
訪問販売業者は営業のスペシャリストというだけあり、ちまたで話題になっている最新塗料や最先端の塗装情報を素早く取り入れ、お客さんにより魅力的な提案を行うことに注力しています。
トレンドの塗料を扱いたい方や、最新の塗料情報を知りたいという方には良いかもしれません。
訪問販売業者のデメリット
訪問販売業者は下請け業者を使う分、塗装価格が高いのはいうまでもありませんが、それ以上に見積もり価格の整合性に欠ける点が最大の難点と言えるでしょう。
一つ例を挙げれば、訪問販売業者の多くは「自社オリジナル塗料」を使用している点です。
「オリジナル塗料」といえば聞こえは良いですが、塗料の性能に関してはその業者が公開するデータを信じるしかなく、しかもそのデータを立証する手立てもありません。
それ以外にも、素人にはなかなか良し悪しの見極めが難しいのが訪問販売業者のデメリットです。
※テレアポや訪問販売の大手塗装会社情報はこちら
家電量販店・ホームセンター
家電量販店・ホームセンターの特徴と傾向
家電量販店やホームセンターは
家電量販店ならヤマダ電機やエディオン、ホームセンターならカインズやコーナンなど、現在多くの異業種大手企業が住宅塗装業界に参入しています。
特徴としては、パック販売やプランごとに価格を明瞭化し、初心者でも工事価格がわかりやすいように工夫している点です。
家電量販店・ホームセンターのメリット
残念ながら、家電量販店やホームセンターに依頼するメリットは思い当たりません。
家電量販店はトイレ・キッチンなどの水回りや太陽光発電などに強く、ホームセンターは外構工事などに優れています。しかし、それもリフォーム専門会社や工務店に依頼すればよい話であり、わざわざ専門外の家電量販店やホームセンターに依頼するだけのメリットは見当たらないのです。
家電量販店・ホームセンターのデメリット
家電量販店やホームセンターのデメリットは先に説明した通りです。
もちろん工事を行うのは地域の塗装屋さん(下請け)ですから、技術的な面ではある程度担保されているはずですが、塗料の選定や提案力、困ったときの担当者からのアドバイスなどは期待できませんし、万が一のアフター対応なども不安要素しかありません。
塗装業界20年のプロがおすすめする理想の塗装業者の種類はこれだ!
さて、ここまで外壁塗装業者の種類について細かく解説してきましたが、どの業者タイプも一長一短あり、なかなか判断が難しいですよね。
で、結局どの業者に外壁塗装を頼めば良いわけ?
といった方のために、もし私が「身内に どのタイプの業者が良いか? と聞かれたらなんて答えるか」を紹介しようと思います。
ちなみに、私はこれまで20年以上にわたりこの業界と共に歩んできた現役のプロですから、現場も知らないような人間が書いたようなネット記事よりはいくぶん参考になるかと思いますよ♪
✅私がおすすめする業者は「地元塗装店」です。ただし、下記5つの条件を満たした塗装店に限ります。
- 自社施工の職人会社
自社施工会社は中間マージンがかからず工事価格が安くなります。なかには下請け業者を使って工事する中規模塗装店もいますので注意です。 - 設立して10年以上の会社
国税庁発表のデータによると、会社設立してから10年存続できる企業はたった6.3%です。10年間地域で塗装業を営んでこれた実績は信頼に値します。 - ホームページが充実していて、SNSやネット広告などを利用して集客している
ネットを利用した集客は人件費や広告費といった経費を抑える効果もあり、かつアナログなこの業界の中でネット活用できるような業者は、常に最新の塗装情報にも敏感な傾向があるため、良い提案が期待できるでしょう。 - 説明が丁寧で、あなた目線でわかりやすい
専門的な用語が多い外壁塗装において、あなた目線できちんとわかりやすく説明してくれる業者かどうかは、あなたのことを考えて工事してくれるかどうかの判断にもなるわけです。最終的には会社の、そして職人の人間性が重要です。 - 保証書の発行をしてくれる
外壁塗装の良し悪し結果は工事後にしか現れません。万が一の不具合に備え、保証書の発行がない塗装店は避けましょう。
多少縛りはありますが、上記5つの条件をクリアできるような地元塗装店なら、私の経験上ではありますが良い業者と言えるのではないかと推測できます。
ぜひ目安の一つとして取り入れてみてください。
まとめ:外壁塗装の工事業者の種類とそれぞれの特徴やメリット・デメリットを比較
ということで今回は、外壁塗装業者の種類やそれぞれの特徴やメリット・デメリットなどを解説してきました。
冒頭でも説明したとおり、外壁塗装の業者の種類によって
- 「価 格」
- 「提案力」
- 「安心感」
っといた違いがあります。
ただしこれらはあくまでも傾向の話であり、良い業者を効率よく見つけるための情報です。
業者の種類にこだわりすぎるあまり良い業者に出会えなかった、とならないようにご注意ください。
本来の目的は、本当に良いと思える塗装業者を見つけることですから。
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