サイディングボードの塗り替え時期と費用、正しいメンテナンス方法をプロが解説

サイディングボードの塗り替え時期と費用、正しいメンテナンス方法をプロが解説

 

うちのサイディングはキレイだし、まだ塗り替え時期ではないと思うけど、一応メンテナンス事情を知っておきたい。かといって直接塗装屋さんに聞いてしつこく営業されるのもイヤ。

 

本記事は、そんなことを考え悩まれている方に最適な記事です。

 

業界20年以上の現役の塗装業者が解説する、サイディングボードで造られた外壁の適正な塗り替え時期メンテナンス費用、そして最適なメンテナンス方法について分かりやすく紹介していきます。


 

目次

サイディングボードの塗り替えメンテナンス時期はいつ?

サイディングボードの塗り替えメンテナンス時期はいつ?
築9年目の積水ハウスの外壁サイディングボード

 

サイディングボードの外壁の塗り替え時期は築10年未満です。

ただし、サイディングのデザイン柄を残したい方築7年未満での塗り替えを推奨します。

 

通常の塗装であれば外壁の柄が消えてしまいおしゃれな風合いを失いますが、無色透明なクリアー塗料を使用することでデザインを残すことが可能です。

 

しかし、塗り替えるタイミングが遅すぎると外壁のデザイン自体が色あせてしまい、その上から透明なクリヤー塗装を塗ってもその色あせた外壁の状態のまま仕上がってしまうわけです。

 

ですから、「外壁のデザインを気に入っている方」や、「デザインをそのまま残したい」という方は、外壁が色褪せる前に塗り替えを行うことを強く推奨いたします。

 

■デザイン柄のサイディングボードの塗り替えについてはこちらを参照

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サイディングボードをメンテナンスせずに放置するとどうなる?

 

長いことサイディングボードのお手入れをせずに放置すると、外壁表面の防水効果が低下していき、サイディング本体にヒビが入ったり反り返ったりします。

 

さらに放置し続けると、痛みの症状は外壁材だけに止まらず、お住まいの内部の建材まで痛めることになり、莫大な修繕費用が必要となるケースが出てきます。

 

ですから、「サイディングが傷んできたな」と目で見て感じるようになる前にメンテナンスをしておくことが、よりお住まいを長く持たせる秘訣であり、メンテナンスコストを最小限に抑えるコツでもあるのです。

 

 

サイディングボードの塗り替え費用はいくらぐらい?

 

サイディングボードは、他の外壁材と比らべ塗り替え費用が若干高くなります

その理由は、コーキング(シーリング)補修が必要なためです。

 

コーキング(シーリング)とは、外壁と外壁の間の縦目地にあるゴムのような柔らかいジョイント素材のことで、サイディングボードが割れないように緩衝材の役目を果たしている重要な部位です。

 

しかし、新築から10年もすれば劣化して固くなってしまいますので、外壁を塗り替える際に一緒に補修することが一般的です。コーキングの費用は補修方法やお住まいにより変わりますが、大体5〜30万ぐらいみておきましょう。

 

サイディングを塗り替えた場合のトータル費用はこちらから確認できます。メアドの登録は必要ですが、無料で使えてその場で概算を教えてくれるので予算目安に便利です。

 

 

サイディングボードのメンテナンス時期をセルフチェックする方法

 

続いて、サイディングの塗り替え時期のチェック方法ついて説明していきます。

 

 

主人
 

うちは塗装した方が良いのだろうかと心配だけど、直接塗装業者に見てもらうのはちょっと気がじける…

という方のために、目で見てわかるサイディングの劣化症状を5つの段階に分けて解説していきますので、ぜひご自宅の外壁の状態と見比べてもらいつつ、現状の確認にお役立てください。



劣化レベル1「コケ・カビ」

劣化レベル1「コケ・カビ」
築14年目のセキスイツーユーホームの北側の外壁

コケ・カビの発生は早ければ築1〜2年で発生することもありますが、特に気にするレベルにありません。台所の中性洗剤をぬるま湯で薄めて布雑巾で拭き上げれば綺麗になります。※高圧洗浄は塗膜を傷つけるのでダメ。

 

 

劣化レベル2「チョーキング現象」

劣化レベル2「チョーキング現象」
築11年のアイフルホーム。すでにチョーキング現象が発生。

チョーキングは、外壁表面の塗膜が破壊されて粉状になっている劣化初期段階の症状。クリヤー塗装を考えている方はすぐに塗り替え準備を。そうでなければそこまで焦る必要はありません。

 

 

劣化レベル3「サイディングのひび割れ」

見落としがちだが、窓枠サッシの隅にひび割れが発生することが多い

早ければ築7年あたりからサイディングのひび割れが起こり始めます。チェックする場所は、南側の陽が当たる外壁、釘打ち部、それとサッシ周り(窓の4隅)です。ひび割れが始まると雨水が中に侵入してサイディングが痛みますので、早めの塗り替えを推奨します。

 

 

劣化レベル4「コーキングひび割れ」

劣化レベル4「コーキングひび割れ」
築14年の工務店のお住まい。コーキングのひび割れが激しい。

コーキングのひび割れも、早ければ築7年目あたりから発生します。こちらも南側の外壁面、特にベランダの外壁などに多く発生します。コーキングが痛み始めるとサイディングの劣化が一気に加速しますので、すぐに塗り替えを行うようにしましょう。

 

 

劣化レベル5「サイディングの反り」

劣化レベル5「サイディングの反り」
外壁の反りが出ると塗装では直らない。

ここまでくると外壁を塗り替えてもあまり綺麗にならないでしょう。サイディングの反りが出ている状態で塗装しても、逆に光の反射により反りが余計目立ってしまうためです。対処法としては、釘打ち調整をするか、サイディングを交換する以外ありません。サイディングの反りは「もっと早めに塗装しておけば良かった」と後悔されることの多い症状の代表格です。

 

 

劣化レベル6「雨漏れ・外壁膨れ」

劣化レベル6「雨漏れ・外壁膨れ」
表面の塗膜は剥がれ落ち、サイディング本体はブヨブヨになってくる

残念ながらこの状態になると、もう外壁の塗り替えではどうすることもできず、大掛かりな改修工事が必要でしょう。今後も長く住む予定なのであればすぐに改修工事を行うことをおすすめします。

 

 

サイディングボードにおすすめな塗料と注意点

 

サイディングにおすすめな塗料というのは特にありませんが、一つ注意点をあげるとするならばそんなに長く持つ塗料は必要はないかなと個人的には考えています。

 

理由は、サイディングにはコーキングという10年前後で劣化してしまう消耗部位があるためです。

 

 

例えば、20年近く持続する無機塗料やフッ素塗料などの高級塗料を塗ったとしても、コーキング自体は10年ほどで劣化してしまうため、塗料だけがオーバースペックになってしまうということですね。

 

ですからサイディングには、コーキングの寿命に合わせて10〜15年の耐用年数の塗料がおすすめです。

 

関連記事 10〜15年の耐用年数のおすすめ塗料はこちら

 

 

サイディングボードの塗り替え時期と費用、正しいメンテナンス方法まとめ

 

以上、今回はサイディングの塗り替え時期やメンテナンス方法について解説してきました。

 

■本記事のまとめ

  • サイディングの塗り替え時期は築10年前後

  • クリヤー塗装をする場合は、築7年未満の塗り替えを推奨

  • サイディングの塗り替え費用は、他の外壁材より高くなる

  • サイディングの塗り替えには、耐用年数が10〜15年の塗料がおすすめ

 

適切なタイミングで正しいメンテナンスを行うことで、お住まいはキレイな美観を維持したまま末長く持つものですよ。新築時に抱いたあなたのお住まいに対する感謝の気持ちをもう一度思い出して、ともに末長くお過ごしください。

 

✅コーキングの詳しい補修方法や費用面に関してはこちら

 

✅デザイン柄のサイディングをクリヤー塗料で塗り替えする注意点はこちら

 

✅ご自宅の塗り替えの費用概算を知りたい方はこちら

 

✅塗料の選び方についての情報はこちら

 

✅外壁塗装の業者選びに困っている方はこちら

 

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この記事を書いた人

年商6億の元塗装会社社長がお届けする外壁塗装の豆知識。業界20年の経験・体験をもとに、他では聞けない役立つ情報から裏情報までお届けしています!
<これまでの経歴>
大手不動産会社勤務、大手塗装会社勤務、2015年塗装会社設立、約20年以上にわたり建築塗装全般に携わり、現在は塗装業のコンサル事業を展開。

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