外壁塗装の見積書の最重要チェックポイント7項目!

外壁塗装の見積書の最重要チェックポイント7項目!

私はかれこれ20年以上住宅塗装業界に携わっていますが、この業界はぶっちゃけまともな工事をしている会社のほうが少ないんです。

 

すみません、冒頭から不安を煽るつもりはないんですが、それだけ慎重に注意ぶかく進めていかなければいけないということです。

 

今回は、外壁塗装の中でも特に重要な「見積書」に関して、ここだけは最低限チェックしておいた方が良い7項目をお伝えします。

 

今回紹介する7項目の中には、誰もが知る基本的なものもから、業界を知り尽くしているプロだからこそ気付くチェックポイントもありますので、ぜひ参考にしていただいて、失敗のない業者選び、できる限り後悔のないご自宅の外壁塗装に繋げていただければ幸いです。

 

目次

はじめに「見積もりの基本と事前準備」

外壁塗装の見積書のチェックポイントを説明する前に、まずは見積もりの基本的なところからお伝えしていきます。

 

これからお話しする内容は、見積もりを取る上での基本事項であり、これらの準備が出来ていない状態で見積もりをとっていても、おそらくあなたが思うような外壁塗装工事にはならないと思います。

 

それだけ重要なポイントになりますので、以下2点は必ず確認ください。

 

  1. 複数の塗装業者から見積もりを取っているか?
  2. 塗装工事の内容・条件を揃えて見積もりしてもらったか?

 

ここはかなり重要なので、少し掘り下げて説明します。

 

 

見積もりの基本①「複数の塗装業者から見積もりを取る」

 

外壁塗装は、複数の塗装業者から見積もりを取る「相見積もり」が基本となります。

 

相見積もりを取るメリットとしては

  • 自宅の相場(適正価格)が見えてくる
  • 自宅に必要な工事がわかる
  • 業者の特徴や考え方が見えてくる
  • 塗装の知識が得られる

などが挙げられます。

 

つまり、複数の会社の見積もりを取りいろいろ比較していくことで、あなたのお住まいの、あなただけの判断基準が作られていくということです。

 

外壁塗装は、お客さんの要望やお住まいの状態に合わせて工事内容も金額も変わる【完全オーダーメイド工事】です。ご近所や知り合いのお住まいとは比較ができないオリジナル工事なんですね。

 

ですから、あなたのお住まいの基準がすごく重要になるわけです。判断基準さえできれば、結果的により良い内容の工事を、より安くできるようになりますので、相見積もりが必須というわけです。

 

 

見積もりの基本②「塗装工事の内容・条件を揃えて見積もりしてもらう」

 

前項で「外壁塗装は相見積もりが必須」とお伝えしましたが、ただやみくもに見積もりを取れば良いか、といえばそういう訳ではありません

 

相見積もりを取るうえで一番重要な点は「工事の内容や条件を揃えて見積もりすること」です。

 

当たり前ですが、各社バラバラの内容の見積書では比較などできませんよね。ですから、相見積もりを取る際には、必ず工事内容や条件を統一して取らないといけないわけです。

 

もし、内容や条件を揃えずに見積もりを取ってしまったという方は、下記記事を参考に見積もりを取り直してみてください。この方法で見積もりを取ると、簡単に見積書の比較が可能です。

➡︎9割以上が失敗している!外壁塗装の正しい相見積もりの取り方

 

まだ見積もりを取っていない方は、一括見積もりサイトを利用してみてください。無料で複数の会社から見積もりが取れる便利なサービスなので、まずは相場や予算を知る上でも重要になります。

➡︎外壁塗装の一括見積もりサイトの仕組みと上手な利用方法

 

 

外壁塗装の見積書の最重要チェックポイント7項目!

 

さて、それでは本題の「外壁塗装の見積書のチェックポイント7項目」について解説していきます。

 

これから紹介する見積書の7つのチェック項目は、我々塗装業界では常識レベルの標準見積もり仕様です。手抜きをする業者や騙そうとする業者は必ず見積もりの段階で適当さや曖昧さがでます。

 

仮に、一つでも条件を満たしていないようであればやめておいた方が無難です。ぜひ、お手持ちの見積書を片手にチェックしてみてください。

 

 

①足場と飛散防止シートは掛けるようになっているか?

 

まず一つ目のチェックポイントは「足場」です。


  • 足場はちゃんと組むようになっているか?
  • 飛散防止シートは掛けるようになっているか?

 

当たり前ですが、足場がない状態ではまともな外壁塗装工事はできません。というより、足場を組まずに塗装工事をすることは違法なんです。※労働安全衛生規則

 

あと、飛散防止シート(ご近所に塗料が飛び散らないようにシートをかける)の項目があるかもしっかり確認しておきましょう。せっかく工事してもらったのに、ご近所に迷惑をかけてしまっては本末転倒なので。

 

足場の種類についてはこちらの記事を参考にしてください。

➡︎こんな足場には注意!外壁塗装工事の危険な足場や手抜き足場の見抜き方

 

 

②高圧洗浄の作業項目はあるか?

 

続いてのチェック項目は「高圧洗浄」です。


  • 高圧洗浄は行うようになっているか?
  • 具体的にどのような洗浄をするのか?(高圧洗浄・薬品洗浄など)

 

高圧洗浄とは外壁や屋根についた汚れやホコリを水で洗い流す作業ですね。この作業は外壁塗装ではかなり重要な要素で、いくら良い塗料を塗っても高圧洗浄が曖昧だと塗料は剥がれてきてしまいます。

 

なかには、高圧洗浄すると言っておきながら水で濡らす程度の作業だったり、最悪水洗いすらしない手抜き業者もいますので、事前にしっかり確認しておきましょう。

 

 

③塗料の「商品名」や「メーカー名」が明記されているか?

 

続いては「塗料」に関してのチェック事項です。


  • 塗料の商品名や製造元メーカーは記載されているか?
  • 塗料の性能グレードはどの程度のものか?

 

いくら塗装業者から「おすすめの良い塗料だ」と勧められたとしても、本当にその塗料が良いものかどうかを自身で調べるようにしてください。

 

その為にも、見積書に塗料の商品名やメーカー名を記載してもらっておく必要があります。

 

それに、見積書に記載してもらっておくことで、万が一塗料のすり替え等のトラブル時の証拠にもなりますので、ここは必ずチェックしておきましょう。

 

 

④見積書の単位(数量)が「坪数」ではなく「平米(㎡)」になっているか?

 

次のチェック項目は各項目の「単位(数量)」です。


  • 各項目の単位(数量)は平米数(㎡)になっているか?
  • 「坪数」や「一式」になっていないか?

 

いまだに「坪数」で見積もり計算している会社もありますが、外壁塗装(屋根塗装)で必要なのは「塗装面積(㎡)」です。坪数は「床面積」になりますので、じつはまったく関係ない数字なのです。

 

「一式」表記は、何がどうなってその金額になっているのか?という具体的な内訳がはっきりしない誤魔化している書き方です。

 

これは塗装業界だけではなく建設業全般に言えることですが、残念ながら昔ながらのどんぶり勘定がいまだに存在している業界なのです。

 

見積書の外壁や屋根の面積に疑問を持たれている方はこちらを参照ください。

➡︎外壁塗装の外壁面積(平米数)なぜこんなに違う?その理由と正しい計算方法

 

 

⑤平米単価は適正価格になっているか?

 

続いては、外壁や屋根の面積「平米単価」チェックです。

 

平米単価は塗料の種類やグレードによってある程度の相場がありますので、下記表と照らし合わせてください。

 

✅塗料グレード別の平均相場単価

塗料グレード 相場単価/㎡数(目安)
アクリル塗料 800〜1,500円/㎡
ウレタン塗料 1,800~3,500円/㎡
シリコン塗料 2,000~3,800円/㎡
ラジカル塗料 2,800〜4,000円/㎡
フッ素塗料 3,500~5,500円/㎡
無機塗料 3,500〜6,500円/㎡

 

念の為説明しておくと、平米単価とは1㎡(1m×1m)の面積を塗装するのにかかる費用(塗料代+作業費)のことです。上記相場単価はあくまでも目安ですが、大きくかけ離れている単価には注意しましょう。

 

塗料に関する情報はこちらで詳しく解説しています。

➡︎外壁塗装は「塗料」で8割決まる!塗料の種類と選び方を分かりやすく解説

 

 

⑥塗装の工程数(塗り重ね回数)がきちんと記載されているか?

 

屋根や外壁の「工程数(塗り重ね回数)」についてもしっかりチェックしましょう。


  • 何工程塗ることになっているか?
  • 下塗り・中塗り・上塗りに使う塗料名やメーカー名が書いてあるか?

 

一般的に外壁や屋根の塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3工程(3回塗り)がベースとなります。しかし、クリア塗装(透明な塗装)などは2工程となる場合もあります。

 

見積書に「3回塗り」と書いてあるか、そしてそれぞれの塗料の商品名やメーカー名も記載されているかなどをしっかりチェックしておきましょう。

 

塗装の工程数(塗り重ね回数)に関する情報はこちらで解説しています。

➡︎2回塗りは手抜き?4回塗りだから安心?外壁塗装の適正な塗り重ね回数とは?

 

 

⑦見積書に書かれていない保証や工事後のアフター対応の確認も忘れずに

 

最後は見積書に書かれていない「保証面」と「アフターフォロー」の確認です。


  • 保証年数(期間)は何年あるか?
  • 保証書は書面でもらえるのか?
  • 具体的にどこがどのようになれば保証対象なのか?

 

じつは、外壁塗装は工事が終わってからが一番トラブルが多いと言われています。なぜなら工事が終わってすぐはたとえどんな塗装であろうがある程度綺麗になるからです。

 

ですから、最悪のケースも考えて、その会社がどのような保証をしてくれるのか、そして問題が生じた際にどのような対応をしてくれるのか?を必ず確認しておくようにしましょう。

 

外壁塗装の保証に関する情報はこちらで解説しています。

➡︎外壁塗装の保証範囲や保証年数の疑問も一発解決!よくあるトラブル事例もあわせて紹介!

 

 

まとめ 外壁塗装の見積書で最低限チェックするべき7項目

 

さて、今回は外壁塗装の見積書で必ずチェックすべき7つのポイントを紹介してきました。



冒頭でもお伝えしましたが、外壁塗装業界はあなたが考えている以上にずさんな業界です。いかに手抜きをして儲けようか、と考えている悪質な塗装業者もたくさんいます。

 

でもそういった中、お客さんのことを第一に考え、お客さんのために一生懸命真面目に工事する塗装業者も存在します

 

今回紹介した7つの見積もりチェック項目は、そういった信頼できる塗装業者を見つけるための一つの手段でもあるんですね。

 

もちろん工事金額を安く抑えるに越したことはありませんが、それ以上にどのような塗装業者で、どのような塗装工事をしてもらうか、ということの方がよっぽど大事です。その上での金額比較に本当の意味があるということですね。

 

ぜひ本記事を参考にしてもらい、より良い外壁塗装工事に繋げてみてください。

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この記事を書いた人

年商6億の元塗装会社社長がお届けする外壁塗装の豆知識。業界20年の経験・体験をもとに、他では聞けない役立つ情報から裏情報までお届けしています!
<これまでの経歴>
大手不動産会社勤務、大手塗装会社勤務、2015年塗装会社設立、約20年以上にわたり建築塗装全般に携わり、現在は塗装業のコンサル事業を展開。

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