外壁塗装のシリコン塗料とウレタン塗料はどちらが良い?初心者でも簡単に見分ける比較方法

外壁塗装のシリコン塗料とウレタン塗料はどちらが良い?初心者でも簡単に見分ける比較方法塗料の選び方

 

現在、外壁塗装で使用される塗料の種類はかなり多く、どれを塗っておけば良いのか?と頭を悩まれている方も多いのではないでしょうか。

 

その中でも特に見積もりされることが多い「ウレタン塗料」と「シリコン塗料」にフォーカスして、耐用年数の違いから価格比較やコスパ比較を初心者でも分かりやすく解説しています。

 

記事後半では、抑えておくべき最重要ポイントや、結局どちらを選ぶべきなのか?といった外壁塗装工事の取り組み方や考え方についてのアドバイスもしていますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

この記事を書いた人
Masaki

アパート・マンションなどの大型物件から戸建住宅まで、約20年以上にわたり建築塗装全般に携わる。営業から現場管理、会社経営に至るまで経験、本当に役立つ外壁塗装情報を独自の視点から発信中。◆詳しいプロフィールは名前をクリック◆

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ウレタン塗料とシリコン塗料の耐用年数を比較

 

まずは塗料の耐用年数を比較していきましょう。耐用年数とは、塗料がどのくらい持つか?という目安になる年数のことです。

 

そして、塗料の耐用年数を大きく左右するのが塗料に含まれる「樹脂」になります。

 

 

塗料の樹脂別 耐用年数表

塗料グレード(樹脂)耐用年数(目安)
アクリル樹脂塗料約3~5年
ウレタン樹脂塗料約5~8年
シリコン樹脂塗料約8~13年
フッ素樹脂塗料約13~18年

 

例えば、ウレタン塗料であればウレタン樹脂をベースに造られた塗料の一般総称というわけです。基本的にこの樹脂の種類によって塗料はある程度グレード分けされています。

 

上の表にあるように、ウレタン塗料は約5〜8年シリコン塗料は約8〜13年となりますので、塗料としての性能はシリコンに軍配が上がります。



ウレタン塗料とシリコン塗料の価格比較

 

続いてウレタン塗料とシリコン塗料の価格差についてみていきましょう。

 

 

ウレタンとシリコンの価格比較表

塗料の種類平米単価(㎡)
ウレタン塗料1,500〜3,500円/m2
シリコン塗料2,500〜3,800円/m2

※平米単価は大手塗料メーカーの設計単価表を参考にしています。

 

 

ウレタン塗料の平米単価1,500〜3,500円/m2、一方シリコン塗料2,500〜3,800円/m2となり、若干ウレタン塗料の方が安いといえます。※平米単価の幅については後ほど詳しく説明していきます。

 

 

平米単価とは、1メートル四方の面積を塗るためにかかる塗料代+作業代のことです。



ウレタン塗料とシリコン塗料のコスパ比較

 

では次に、ウレタン塗料とシリコン塗料のコスパの比較をしていきます。おそらくここが一番気になる点ですよね。

 

外壁塗装のコスパの考え方は、年次コスト(1年間にかかる費用)で換算します。今回は、150㎡の外壁をウレタンとシリコンで塗装した場合を例にとって比較してみます。

 

 

150㎡の外壁を塗装した場合のウレタンとシリコンの費用比較

 ウレタン塗料シリコン塗料
足場費用15万
外壁塗装費22.5〜52.5万37.5〜57万
付帯塗装費15万
その他費用10万
総 額62.5〜92.5万円77.5〜97万円

※足場代や付帯塗装、その他の費用はざっくりとした概算です。お住まいの立地や造り、地域によって価格は変わります。

 

 

総額を比較してみるとウレタンとシリコンにそこまでの価格差はありませんね。

 

ではこれらをそれぞれの耐用年数で割り、1年間にかかるランニングコスト費用を算出してみます。

 

 

ウレタン塗料とシリコン塗料のランニングコスト比較表

ウレタン塗料シリコン塗料
11.5〜12.5万/年7.4〜9.6万/年

 

 

ウレタン塗料で塗装した場合の1年間にかかるメンテナンスコストが11.5〜12.5万に対して、シリコン塗料は7.4〜9.6万で済みますので、やはりシリコン塗料の方がコスパ(ランニングコスト)が良いという結論に至ります。



…と、これまでの説明だけ聞くと「やっぱりウレタン塗料よりもシリコン塗料が良いんだ」と思われるかもしれませんが、実は例外もあるのです。

 

 

ここからが本記事のキモで、一番重要な話になります!

 

 

シリコン塗料はウレタン塗料より本当に良いといえるのか?

 

先に説明したように、塗料の樹脂だけで比較すればウレタンよりシリコンの方がグレードは上です。

 

しかし、一概にそうとは言えないのが塗料選びの難しいところ。これから説明する内容は本記事の肝(キモ)と言える部分なので、ぜひ理解できるまで何度も読んでいただければと思います。

 

 

塗料選びで失敗される方は、おそらくこの情報を知らない方です!

 

 

樹脂の種類(名前)だけで判断すると失敗する

 

これまで「樹脂の種類」によって塗料の性能が判断できると説明してきましたが、それと同じぐらい重要な要素が「樹脂の含有量」です。含有量(がんゆうりょう)とは、塗料に含まれる樹脂の割合(濃度%)のことです。

 

 

シリコンの含有量の違い

 

 

例えば、上の図のように同じシリコン塗料でも5%しかシリコンが含まれていないシリコン塗料もあれば、50%近くシリコンが含まれたシリコン塗料もあるわけです。当然ながら塗料の性能は後者の方が圧倒的に高くなるわけですね。

 

もちろんそれに応じて塗料の価格や耐用年数もガラリと変わります。先ほど紹介した塗料の平米単価や耐用年数に幅を持たせているのは、そういった理由が関係しているためです。



オレンジ果汁が1%しか入ってなくてもオレンジジュースと呼ばれているのと同じですね♪

 

 

樹脂の濃度次第ではシリコン塗料よりウレタン塗料の方が性能が高いケースも!?

 

一旦ここでウレタンとシリコンの比較の話に戻します。

 

先ほどの内容を踏まえた上で、今度は含有量40%のウレタン塗料含有量5%のシリコン塗料の二つを比較してみましょう。

 

ウレタンとシリコンの含有量による塗料の性能比較

 

 

樹脂の種類から判断すると当然シリコンの方が上ですが、このシリコン塗料はたったの5%しか樹脂が含まれていません。こうなってくるとウレタン塗料の方が性能が高くなり、ウレタン塗料がシリコン塗料の性能を上回るという逆転現象がおきるわけです。

 

外壁塗装も同様に、中身空っぽの詐欺みたいな低性能塗料も数多く流通されていますので、シリコン塗料だから安心だと安易に樹脂の種類だけで判断せず、塗料の製品としての良し悪しも考えないと痛い目に遭うということです。

 

 

「シリコンなのにずいぶん安いなぁ」と感じたら要注意ですね。

 

 

塗料に含まれる樹脂の含有量を調べる方法

 

では、どのようにして塗料に含まれる含有量を調べたら良いのか?

 

残念ながら、塗料に含まれる樹脂の含有量は塗料カタログや塗料メーカーのウェブサイトでも一般公開されていないことがほとんどです。

 

一部の塗料メーカーについては問い合わせすれば教えてくれたりもしますが、ほとんどの場合は同業他社に真似されることを警戒してなのか、塗料の成分表を公開していないのです。



私も20年以上この業界にいますが、さすがにすべての塗料の含有量を把握できているわけではありません。しかし、「この塗料はかなり良い」と思える塗料は知っていますので、そちらを参考にしていただければと思います。

 

※下記記事は、私自身の実体験と塗料メーカーや塗料代理店などから得た情報などから、本当に良いと思える高性能シリコン塗料だけを厳選しています。結果的にウレタンより良い塗料ですので、ウレタンとシリコンどちらが良いかと悩まれている方にはかなり使える内容です。

 

参考記事

 

 

まとめ:外壁塗装のシリコン塗料とウレタン塗料はどちらが良い?

 

さて、今回はウレタン塗料とシリコン塗料ではどちらが良いのか?どちらを選んだほうが良いのか?ということで両者を比較をしてきましたがいかがだったでしょうか?

 

 

最後に、もう一度重要な点を振り返っておきましょう。

 

✅ウレタン塗料とシリコン塗料の比較まとめ

 

  • 樹脂の種類で判断するとウレタン塗料よりシリコン塗料の方が性能は高いといえる。しかし、樹脂の濃度(含有量)次第ではウレタン塗料の方が性能が高いケースも出てくるので一概にシリコンが良いとはいえない。「シリコン塗料なのに安いな?」と感じたら、その中身(含有量)を塗装業者に直接聞いてみよう。

 

  • 塗料の中でも一番商品数(種類)が多いといわれているのがシリコン塗料。そして同時に騙されやすいのもシリコン塗料。どのメーカーのどんなシリコン塗料を選ぶかがかなり重要なカギを握る。高性能シリコン塗料は別記事で紹介しているので、ぜひそちらを参考に。



最後に個人的な見解を述べると、私は多少高くてもシリコン塗料をおすすめします。

 

外壁塗装工事には塗料の種類に関わらずかかってくる費用があります。例えば、足場代や人件費といった費用です。これらはどの塗料を塗ったとしても変わらない費用帯なのです。シリコン塗料だから良い職人が作業するわけでもありませんし、シリコンだから立派な足場が組まれるわけではありません。

 

 

もちろん塗料一缶あたりのウレタンとシリコンの価格を比較すると数万円違うかもしれません。しかし、全体のトータルコストで換算するとわずか数%の違いです。

 

何が言いたいかといいますと、工事の回数が増えれば増えるほど、一回分の工事にかかる塗料代の差よりも足場代や人件費といったコストの方が大きくなるということです。つまりは、「いかに塗装工事の回数を減らすか=いかに塗装を長く持たせるか?」という長期的な視点で考えることが、外壁塗装工事において賢い得する方法なのかなと思います。

 

 

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