PR

外壁塗装に使う塗料は水性と油性、どちらが良い?

外壁塗装に使う塗料は水性と油性、どちらが良い? 塗料の選び方

外壁塗装の塗料にはウレタン・シリコン・フッ素といった塗料グレード(樹脂)以外にも、「水性・油性」という2つの分類があります。

 

この「水性」と「油性」ではそれほど大きな違いはありませんが、それでも性能や価格、それに工事期間中のニオイに関する違いもありますので、覚えておいて損はありません。

 

 

本記事では、外壁塗装においての「水性塗料と油性塗料の違い」や、施主側と業者側のそれぞれの「メリット・デメリット」、そして最終的に「どちらを選んだ方があなたにとって得なのか?」を、分かりやすく解説していきます。

 

本記事はこんな方を対象としています。

  • 水性と油性ではどちらが良いか知りたい
  • 水性と油性ってどう違うの?
  • 油性はニオイがきつくなる?
  • 一般的にはみんなどちらを選ぶのか知りたい

 

※この記事は、20年以上塗装業界に携わり、今現在も現役で現場監督をしている私自身が、これまで約900棟以上の現場経験から得た知識や経験をもとに、本当に役に立つ情報を抽出して書いています。

 

 

塗料の基本情報はこちらから

 

スポンサーリンク

「水性塗料」と「油性塗料」どちらを選ぶべき?

「水性塗料」と「油性塗料」どちらを選ぶべき?

 

ニオイに敏感な方でなければ油性塗料をおすすめします

 

 

長年、住宅塗装工事に携わってきて感じるのは、やはり水性油性より耐久性が劣ると感じる場面が多くあります。これはおそらく一般の方では分からないと思いますが、ボールペンやマジックと同様に油性の方が長く持つんですよね。

 

 

しかし、水性塗料だからといってマジックの様に雨で色が落ちてしまうようなことはありません。ちゃんと住宅用に造られていますので安心してください。あくまでも水性と油性を比較した場合「水性塗料の方が性能は劣る」ということです。

 

 

【重要】
・塗料自体の性能が同じなら油性塗料の方が長く持つ!

 

 

スポンサーリンク

そもそも「水性塗料」と「油性塗料」は何がどう違うのか?

 

次に、水性塗料と油性塗料の違いについてです。

 

  • 」で薄めるタイプが水性塗料
  • シンナー」で薄めるタイプが油性塗料

※「シンナー」は溶剤のことです。

 

 

塗料は、缶を空けるとドロドロとした状態で入っていますので、そのまま使用することは出来ません。塗料にシンナーなどを混ぜ合わせ、いったんサラサラな状態にしてから外壁に塗り上げます。

 

塗料に混ぜた水やシンナーは乾燥・蒸発して、最終的に外壁には塗料だけが残るといった仕組みです。

 

 

塗料カタログ 希釈剤

※塗料カタログにも、どんな希釈剤かが記載されています。

 

 

続いて、次項では水性・油性の具体的な特徴やメリット・デメリットを一覧にして説明していきます。

 

 

水性塗料と油性塗料の特徴とメリット・デメリットを比較

水性塗料と油性塗料の特徴とメリット・デメリットを比較

 

続いては、水性・油性でどう影響してくるのか?どう違うのか?を具体的に紹介していきます。

 

 

■住宅用塗料「水性・油性」の比較

  水性塗料 油性塗料
耐久性 油性より持たない 水性より長持ち
価 格 安い 高い
臭 い 少なめ キツイ
速乾性 乾きが遅い すぐ乾く
濃い色は× 全色対応
 
【 補  足 】
  • 近年水性塗料の性能は上がっており、油性塗料との差は以前ほどなくなりつつある。
  • マンションなどの集合住宅では、ニオイが少ない水性塗料の使用が多い。
  • 鉄部は、密着性の良い油性塗料を使用。水性系では剥がれてくる。
  • 屋根は外壁より痛みが早いため、耐久性の優れた油性塗料を推奨。
  • 天候が定まらない梅雨時期などは、速乾性のある油性塗料が良い。

 

 

  • ニオイがダメな方、安く塗装したい方は水性塗料
  • 多少高くとも性能重視なら油性塗料

濃い色(原色に近い色)は水性では造ることが出来ませんので注意

 

 

実際に起こった水性塗料の不具合事例

 

ここまで「油性塗料が良い」と繰り返し紹介してきましたが、私が油性塗料を薦める「きっかけ」になった出来事があります。

 

今回はそちらも合わせて紹介しますので、ぜひ一つの事例として参考にして下さい。

 

水性塗料の不具合事例
  • STEP1
    塗装後すぐにベランダに雨垂れ
    外壁を水性系シリコンで塗装して1ヶ月後、ベランダ外壁部に雨垂れ発生。現場に出向き、拭き上げるが、まったく汚れが取れない
  • STEP2
    塗料メーカーに問合せ
    おかしいと思い塗料メーカーを呼び現場確認すると、雨垂れがついていたのは塗装表面ではなく、塗料の中に侵入している汚れと判明
  • STEP3
    調査結果
    塗料メーカーいわく『水性系塗料は表面はすぐ乾くが、中が完全に固まるまでは1か月ほどかかる』と言われた。
  • STEP4
    ベランダ塗り直し
    お客さんに事情を説明、再度ベランダ部を油性塗料で塗り直し、解決。

 

 

ようするに、塗料が完全に固まる前に雨が塗膜の中に侵入し、それが雨垂れとなりそのまま塗料が固まってしまったわけです。これではいくら表面を拭き上げても雨垂れは取れません。

 

例えば、これが速乾性のあるシンナーを使った油性塗料であれば、こういった不具合は避けられたのかもしれません。

 

じつはこのような水性塗料の不具合事例はよくある話で、塗料メーカーや業界関係者であれば周知の事実なんですよね。でも現状は水性塗料を勧める塗装業者さんが圧倒的い多いんです。

 

 

多くの外壁塗装業者が水性系塗料を薦める理由とは?

 

ここからは塗装業界の裏事情を少しだけお話ししていきます。

 

先程書いた様に、油性塗料の方が水性塗料よりも長く持つのは業界の常識です。しかし、なぜ水性系塗料を勧める業者が多いのでしょうか?

 

その理由は、水性塗料の方が業者にとって都合が良いからです。

 

 

水性塗料を扱う業者の4つのメリット

  1. 水性のほうが作業性が良い

  2. 油性より安価な水性塗料は経営的にもリスクが少ない
    ※塗料が余っても他現場へ使いまわせる
    ※塗料原価が安く、利益が多く取れる
    ※保証面でも大した費用は掛からない

  3. 塗料の管理、現場の管理が楽
    ※引火する危険も少ない
    ※ニオイのクレームがない

  4. 見積もり金額が安く提示できて競合に勝ちやすい
    ※「水性は環境に優しいECOだから」といえば売れやすい
    ※水性・油性の違いを知らないお客さんが多いのを悪用

 

 

 

ホームセンターに並んでいる塗料はどれも水性塗料です。理由は安くて誰でも簡単に使えるからです。

 

でも、お金を払ってプロに工事をお願いするのに、塗装業者のことを考えてわざわざ扱いやすい水性塗料で塗ってもらう必要はないですよね。と私は思います。

 

※油性塗料はニオイ(刺激臭)がありますので、下記に当てはまる方は念のため事前に業者に相談して塗料を決めるようにして下さい。

  • 赤ちゃんがいる
  • 妊娠している
  • 小動物を飼っている
  • 池に鯉を飼っている
  • ニオイにかなり敏感な方
 
 

【まとめ】外壁塗装に使う塗料は水性と油性、どちらが良い?

【まとめ】外壁塗装に使う塗料は水性と油性、どちらが良い?

 

ということで今回は、外壁塗装の塗料は水性と油性どちらを選ぶべきか?をテーマにそれぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介してきました。

 

 

最終的な結論としては、「ニオイがダメ」という方以外は油性塗料が良いでしょう。

 

 

それに、水性塗料を塗ったからといってまったくニオイがしないわけでもありません。迷われている方は前もって業者に水性と油性のニオイを確認させてもらうと良いですよ。

 

 

 

ちなみに塗料には「健康上問題がないですよ」と認定されたマーク ホルムアルデヒド放散等級【F☆☆☆☆】 があります。たいていの塗料は水性・油性問わず取得しています。

 

F☆☆☆☆ が表示されている製品は安全ですか?


建築基準法施行令では、ホルムアルデヒドの発散速度が5μg/m2h(0.005mg/m2hr)以下の建材のレベルをF☆☆☆☆としており、一般の人がその環境下で一生生活したとしても健康上問題がないレベルと想定されています。
ただし、化学物質過敏症の方は微量の化学物質でも影響を受ける場合がありますから、建材の選定にあたっては実際に材料に触れたり、臭いを嗅ぐなど事前に確認されることをお薦めします。

出典:ホルムアルデヒド】に関するQ&A | NSK – 日本建築仕上材工業会

 

 

当サイトでは、他にも外壁塗装・屋根塗装に関する疑問や悩みについて記事を書いていますので、ぜひ参考にして下さい。

 

 

塗料選びのすべてがわかる記事

 

シリコン塗料

 

ラジカル塗料

 

フッ素塗料

 

無機塗料

 

特殊な塗料

 

その他の塗料に関する情報

タイトルとURLをコピーしました