ラジカル塗料とはどんな塗料?特徴や仕組み、デメリットを分かりやすく解説!

ラジカル塗料とはどんな塗料?特徴や仕組み、デメリットを分かりやすく解説!

ここ最近、外壁塗装でもよく使われ始めている「ラジカル塗料」。

見積もりを取ったことがある方なら、一度は目にしたことはあるのではないでしょうか?

 

 

  • ラジカル塗料ってどんな塗料?
  • 今までと何がどう違うの?
  • どのくらい長く持つの?

 

 

そんな疑問をお持ちの外壁塗装初心者に向けて、ラジカル塗料を分かりやすく解説していきます。

 

本記事では、ネットを探せば簡単に出てくるようなうわべだけの情報だけではなく私が実際にお客さんの外壁や屋根に塗装してみた実体験経過も踏まえつつ、本当のラジカル塗料を解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

 

 

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目次

ラジカル塗料の特徴・仕組み

 

塗料でいうラジカルとは「劣化の原因となる成分」のことです。

 

塗装の膜(塗膜)は、紫外線や赤外線、雨などの外的要因により徐々に劣化していきます。そうすると「ラジカル」という因子が形成され、さらに劣化を引き起こします。

 

日本ペイントのラジカル制御塗料「パーフェクトシリーズ」のカタログ

日本ペイント「パーフェクトシリーズ」カタログより抜粋

 

 

ラジカル塗料とは、その劣化の原因となる成分を抑制する(発生を抑える)機能を付与した塗料のことです。ですから、正式には「ラジカル制御塗料」ですね。

 

 

外壁を手で触ると白い粉が付く「チョーキング現象」などの発生を抑えてくれます!

 

 

ラジカル塗料の歴史と実績

 

ラジカル塗料が日本ではじめて一般販売されたのは2012年まだ発売されてから10年ほどしか経ってない新しい塗料なんですね。

 

ラジカル制御塗料を最初に発表したのは、業界最大手の日本ペイント。”シリコンより安くて長持ち”をウリに販売された「パーフェクトシリーズ」です。

 

その後、関西ペイントやエスケー化研といった大手塗料メーカーも開発に着手、現在では多くの塗料メーカーが製造・販売しています。

 

私も「パーフェクトシリーズ」は良く使わせて頂いている材料の一つです。

 

 

ラジカル塗料の耐用年数

 

ラジカル塗料の耐用年数は、8〜15年あたりが目安です。

※カタログスペック上では15年以上と書いてある製品もありますが、実際は-3年ぐらいで考えたほうが無難です。

 

あと誤解されている方が多いのですが、「ラジカル」とは樹脂の名前ではなく、従来からあるウレタンやシリコン、フッ素などの主成分に「ラジカルを制御する要素」を付与したもの(混合させたもの)になります。

 

ラジカル制御塗料の説明

 

 

ですので、ラジカル塗料の耐用年数には耐用年数にこれだけの幅があるわけです。

 

 

ラジカル塗料は「主成分が何なのか?」により耐用年数が変わると覚えておきましょう。

 

 

ラジカル塗料の価格(平米単価)

 

ラジカル塗料の平均相場は、3,000~4,500円/㎡あたりです

 

価格に幅を持たせてるのは主成分(樹脂)の違いによるものです。

大手塗料メーカー3社の代表的なラジカル塗料をまとめてしてみましたので、参考にしてみてください。

 

■人気ラジカル塗料一覧

塗料名 ㎡単価 メーカー 性質 ベース
パーフェクトトップ 3,140円/㎡ 日本ペイント 水性 アクリル樹脂
ファインパーフェクトトップ 3,370円/㎡ 日本ペイント 油性 アクリル樹脂
パーフェクトセラミックトップG 3,940円/㎡ 日本ペイント 水性 無機系
エスケープレミアムシリコン 3,000円/㎡ エスケー化研 水性 シリコン樹脂
エスケープレミアムNADシリコン 3,050円/㎡ エスケー化研 油性 シリコン樹脂
エスケープレミアム無機 非公開 エスケー化研 水性 無機系
アレスダイナミックTOP 2,700円/㎡ 関西ペイント 水性 シリコン樹脂
アレスダイナミックTOPマイルド 2,900円/㎡ 関西ペイント 油性 シリコン樹脂
アレスダイナミックMUKI 3,670円/㎡ 関西ペイント 水性 無機系
アレスダイナミックMUKIマイルド 4,010円/㎡ 関西ペイント 油性 無機系

 

※平米単価は各メーカー発表の「設計単価表」より抜粋。

※上記価格は300㎡以上を対象として算出されたものですので、実際の見積もりでは単価が上がります。

※外壁が100㎡の場合、100㎡×〔平米単価〕が外壁を塗装する費用(材料費+工賃)となります。

※足場代やその他の塗装費は含まれません。

 

 

改めてみてみると、水性と油性ではそこまでの価格の違いはありませんね。臭いに敏感じゃなければ油性がおすすめです。油性の方が長く持ちますので。

 

それと、無機系ラジカル塗料は4,500円/㎡あたりと頭一つ抜けています。

やはりベースが何かによって価格が大きく変わるのが、ラジカル塗料の特徴の一つといえそうです。

 

 

ラジカル塗料は、ベースとなる樹脂が何か?を確認した上で価格の比較をしましょう!

 

 

ラジカル塗料のデメリット

 

ラジカル塗料の最大のデメリットは、「出来てまだ10年程しか経ってない」です

ようするに実績がないという点です。

 

各塗料メーカーのカタログスペック上では、18〜20年と長期耐用年数が期待できるような書き方がされていますが、じっさいに発売されてからまだ10年しか経っていませんので、過信は禁物です。

 

ただ、今回は日本三大塗料メーカーといわれる「日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研」が揃ってラジカル塗料の開発・製造に踏み切っていますので、間違いないのかな?とは思っています。

 

※2000年、住宅機器メーカー大手のTOTOは、光触媒塗料「ハイドロテクトコート」を発表。セルフクリーニング効果を付与した最新塗料ということで話題になるも、上記3大メーカーは光触媒塗料については完全スルー。その後TOTOは塗料に不具合が発覚したとのことで光触媒塗料の製造販売を中止、2014年に塗料業界から全面撤退している。

詳しくはこちらの記事を確認ください。

プロが本音で語る!なぜ外壁塗装は大手メーカーの塗料を選ぶべきなのか?

 

 

まとめ:ラジカル塗料とはどんな塗料?

ということで今回は、塗料メーカーが公表している情報やカタログスペックだけではなく、実際に使用してみた私見を含め「ラジカル塗料」について解説してきました。

 

 

◆最後に本記事をまとめておきます。

  • ラジカル塗料とは、劣化の原因となる「ラジカル」を抑制してくれる塗料のこと。
    ※正式には「ラジカル制御塗料」

  • ラジカル塗料の耐用年数は、約8~15年程
    ※塗料を構成する主成分(ベース樹脂)により変動。

  • ラジカル塗料の相場単価は、2,500~4,500円/㎡
    ※塗料を構成する主成分(ベース樹脂)により変動。

  • ラジカル塗料のデメリットは、出来てまだ10年と歴史が浅い点。

 

 

ラジカル塗料は新しい塗料ではありますが、今のところ特に大きな問題やデメリットも報告されていませんし、仮にメーカーが発表している年数持つのであれば、外壁塗装の主流になっていくのかもしれませんね。

 

 

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この記事を書いた人

年商6億の元塗装会社社長がお届けする外壁塗装の豆知識。業界20年の経験・体験をもとに、他では聞けない役立つ情報から裏情報までお届けしています!
<これまでの経歴>
大手不動産会社勤務、大手塗装会社勤務、2015年塗装会社設立、約20年以上にわたり建築塗装全般に携わり、現在は塗装業のコンサル事業を展開。

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