デザイン重視のセラミック塗料とは?相場費用やデメリットを解説!

 

  • 外壁塗装でご近所との差別化をはかりたい。
  • 周りと同じデザインの塗装にはしたくない。
  • 見た目を豪華にしてオシャレに仕上げたい。

 

 

そんな方におすすめの「セラミック塗料」ですが、注意したいのはセラミック塗装と呼ばれている中にも2タイプあるということです。

これを間違えると、普通と同じ見た目の塗装になってしまいます!

 

 

■2種類のセラミック塗装

  • 装飾系セラミック塗料
    見た目は凹凸のあるザラザラした外壁表面になり、意匠性に富んだ豪華な仕上がりになる。
    (御影石調・大理石調)

  • 配合型セラミック塗料
    見た目は普通の塗装と変わらないが、セラミック(無機化合物)を配合することで塗料に機能を付与したり性能をアップさせた塗料。
    (無機塗料・断熱塗料・遮熱塗料など)

 

 

本記事では「装飾系セラミック塗料」にフォーカスして、その特徴見た目効果デメリットなど、知っておくと必ず役立つ情報を現役のプロがお届けしていきます。

 

 

配合型セラミック塗料について知りたい方は下記を参照ください。

無機塗料とは?価格相場と3つのデメリットを知らないと失敗する!

 

塗料の選び方や種類についてはこちらで詳しく解説しています。

外壁塗装は「塗料」で8割決まる!塗料の種類と選び方を分かりやすく解説

 

目次

セラミック塗料とは

セラミック塗装とは?

 

セラミック塗料とは、その名の通り塗料の中に「セラミック成分」を配合して造られた塗料です。

 

セラミック成分とは、シリカ(二酸化ケイ素 SiO2)のことで、身近なものでいうとお茶碗(陶磁器)やガラス、砂や天然石といったものがそれにあたります。

 

それらを細かく砕いて塗料に配合したものがセラミック塗料です。



セラミック塗料の効果・特徴

 

セラミック塗装の最大の特徴は、その見た目の豪華さです。

 

一部の塗装業者やネットなどの書き込みで、セラミック塗装は「半永久的に持つ」「汚れを洗い流してくれる」などといった情報もよく目にしますが、そういった効果は期待できません

 

※セラミック自体の耐久性は、お茶碗と同じく半永久的で汚れも付きにくい特性を持っていますが、塗料はセラミックだけで構成されているわけではありませんので劣化します。詳しくは後述「セラミック塗装のデメリット」で詳しく解説しています。

 

 

セラミック塗料の美観(見た目)

 

セラミック塗料を使うとどんな見た目になるの?

 

 

では、実際にセラミック塗料で仕上げた外壁を見ていきましょう。

 

山本窯業化工「マデストン」の美観

山本窯業化工の「マデストン」。シリコンやフッ素にセラミックを配合している。

 

 

山本窯業化工「マデストン」の美観②

こちらも同じく「マデストン」。豊富なカラーラインナップが特徴。

 

 

このように、セラミック塗料を使用すると意匠性に優れたリッチな仕上がりになります。

 

これらの柄模様は塗料で着色されたわけではなく、砂や石などの素材が持っている色によって彩られています

ですから通常の塗装では表現できない、とても奥行きのある美観に仕上がります。

 

 

セラミック塗装の工法

 

セラミック塗装の工法は、一般的なものとは少し異なります。

 

  1. 基本的に「吹き付け工法」となる
  2. 最後に必ず「クリヤー塗装」で仕上げる

 

 

■セラミック塗装の作業工程

  1. 下地調整
  2. 下塗りシーラー(1工程)
  3. セラミックが入った塗料の吹き付け(1~2工程)
  4. クリヤー塗料(1~2工程)



セラミック塗料は一般の塗料と違い、砂や細かい石などを外壁に均等に付着させていく塗料ですので、スプレーガンによる吹き付け工事が最適となります。※最近では手塗りタイプ(ローラー仕上げ)も徐々に増えてきている。

 

さらにセラミック塗装の場合は、必ず透明なクリヤー塗装で最終仕上げをおこないます。これは外壁と砂や細かい石などを接着している糊(のり)の劣化を防ぐためのものです。

 

 

セラミック塗料の耐用年数

 

セラミック塗料の耐用年数は、最後に塗るクリヤー塗装で決まります。

 

どのグレードのクリヤー塗料で仕上げたか?」が、とても重要になりますので必ず確認しましょう。

 

 

■塗料グレード別・塗り替え目安表

塗料の種類「樹脂」 耐用年数(目安)
アクリル塗料 3~5年
ウレタン塗料 5~7年
シリコン塗料 8~13年
フッ素 塗料 13~18年
無機 塗料 15~20年

 

 

『なるだけ長く持たせたい!』という方は、最後の仕上げクリア塗装のグレードをフッ素や無機にして塗装することをお勧めします。

 

 

セラミック塗料の費用(平米単価)

 

装飾系セラミック塗料の費用は、一般的な塗料と比較するとかなり高くなります

理由は、塗装する工程数(塗り重ね回数)が多くなる為です。

 

 

■セラミック塗料と一般塗装との設計単価比較表

  一般的な塗装 装飾系セラミック塗装
平米単価(円/㎡) 1,500~6,000円程/㎡ 3,500~20,000円程/㎡
塗り回数(工程数) 3~4工程 4~17工程

※平米単価は各塗料メーカーの設計単価表を参照

 

 

装飾系セラミック塗装は、豪華な石調の風合いを演出する為に、さまざまな配色のセラミックを外壁に何層にも吹き付けていく塗装工事となります。

 

その為、装飾系セラミック塗装の工程数は最低でも4工程から、最大で17工程にもなります。

豪華な仕上げにしようとすればするほど工程数も増え、その分費用も上がります。

 

 

セラミック塗装のデメリット

セラミック塗装のデメリット

 

”外壁塗装工事でお住まいの雰囲気をガラッと変えることが出来る”という素晴らしいセラミック塗装ですが、やはりそれなりにデメリットもあります。

 

■セラミック塗料のデメリット

  1. 費用が高い
  2. 塗膜が硬い
  3. 汚れがつきやすい
  4. 変な業者が多く取り扱う商材

 

上記を知らずに工事すると、あとから後悔したー!となりますので、デメリットを十分理解した上で検討しましょう。

 

以下、それぞれ解説していきます。

 

1.費用が高い

 

セラミック塗装の1つ目のデメリットは「工事費用が高い」です。

 

先程も説明しましたが、セラミック塗装は通常塗装より塗り重ねる回数(工程数)が増えるためです。

そして、最後に仕上げるクリヤー塗装のグレードによっても費用が変わります。

 

 

2.塗膜が硬い

 

装飾系セラミック塗装の2つ目のデメリットは、「塗装表面が硬い」です。

 

繰り返しますが、 セラミックとはお茶碗を粉々に砕いたような細かい骨材です。それを塗料(糊)と一緒に外壁に吹き付けていくわけですから、仕上がった塗装の表面はどうしても硬くなります。

 

ですので、コーキング(シーリング材)で目地切りがしてあるサイディングなどの外壁材のお住まいには、装飾系セラミック塗装はあまり適していないように思います。

 

なぜならコーキングは本来動くように出来ているので、硬い装飾系セラミック塗装はその動きに追従できず、割れやすくなるためです。

 

 

3.汚れがつきやすい

 

セラミック塗料の3つ目のデメリットは「汚れが付きやすい」です。

 

外壁表面を見れば分かるように、セラミック塗料を塗ると外壁表面が凸凹に仕上がります。

そうすると通常の塗装よりも雨水の水はけが悪くなり、藻やカビ、さらには汚れも溜まりやすくなるという原理です。

 

お茶碗に代表されるように、セラミック自体は汚れが付きにくく水を弾く特性があるわけですが、外壁表面がデコボコではさすがにその効果は得られません。

 

 

4.悪徳業者がよく取り扱う塗料

 

最後の4つ目のデメリットは、セラミック塗料を扱う業者の中には「悪徳な業者もいる」ことです。

ようするに、塗装業者の見極めが難しいということです。

 

 

■騙す業者の手口はこんな感じ。

  • 工程数が少ない(2~3工程)
  • 最後のクリヤー塗装がない
  • 設計単価(㎡単価)がバカ高い
  • 『半永久的に持ちます』などのオーバートークをしてくる

 

 

セラミック塗料は見た目に普通の塗料とは違いますし、適当に工事しても豪華な印象を与えますので、悪徳業者にしてみればお客さんを騙しやすい商材なんだと思います。

 

特に、「訪問販売業者」や「自社オリジナル塗料」を前面に推してくる塗装業者には注意しましょう。

 

関連記事

外壁塗装のオリジナル塗料ってどうなの?使うメリットやデメリットとかある?

 

 

まとめ:セラミック塗料の相場費用やデメリット

 

ということで今回は、装飾系セラミック塗料の費用相場や特性、それにメリットデメリットなどを解説してきました。

 

 

最後にセラミック塗装をまとめると、

  • セラミック塗料を塗ればラグジュアリーな外壁に仕上がる

  • ただし、セラミック塗装はあくまでもデザイン重視。耐用年数や性能はあまり期待できない

  • お金をかけてでも「ご近所とは違う塗装をしたい」「せっかくなら見た目にこだわりたい」という方にはおすすめの塗装

 

 

特にセラミック塗料などの高額塗装工事の場合は、施工業者の選定には慎重に行った方が良いでしょう。

 

せっかくの高額塗装工事が業者次第で台無しになることもありますので、必ず仕上がりの見本を見せてもらいながら相見積もりを取るなどして、内容(デザイン)と価格を比較しならが検討しましょう。

 

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この記事を書いた人

年商6億の元塗装会社社長がお届けする外壁塗装の豆知識。業界20年の経験・体験をもとに、他では聞けない役立つ情報から裏情報までお届けしています!
<これまでの経歴>
大手不動産会社勤務、大手塗装会社勤務、2015年塗装会社設立、約20年以上にわたり建築塗装全般に携わり、現在は塗装業のコンサル事業を展開。

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