ジョリパッドとは「塗り壁材」のひとつです。
では、塗り壁材とは…
水、土、植物など身近な天然素材を原料とする、人と地球にやさしい壁材。伝統的な素材でありながら、現代の暮らしにもうれしい数々の特徴を備えています。内装材のイメージが強い塗り壁ですが、実は、外装材としても根強い人気があります。
出典:四国化成工業㈱
ということで、今回は「ジョリパット」について深掘りしていきます。
本記事を読むと、こういった悩みが解決できます。
- ジョリパットってどんな壁?
- ジョリパットにはどんな特徴があるの?
- ジョリパットのデメリットは?
- ジョリパットのメンテナンス方法って?
ジョリパッド外壁ってなに?
ジョリパッドの正式名称は「ジョリパット」です。※語尾に濁点は付きません
結構間違っている方が多いので、あえてタイトルに濁点付きの「ジョリパッド」と書きました。
以後、ジョリパットで統一します。
さて、そのジョリパットですが、実はこちらは塗り壁の種類ではなくて「商品名」なんです。
✅ ジョリパットとは
- アイカ工業株式会社より1975年に販売された「意匠性」塗り壁ブランド商品
その商標である「ジョリパット」という名が世に浸透して、いつの間にか「おしゃれな塗り壁」=「ジョリパット」といった使い方をされるようになっています。
他にも大手塗料メーカーから類似品が販売されています。
- 「ベルアート」…エスケー化研
- 「グラナダ」…菊水化学工業
- 「インディアートCERA」…日本ペイント
内容としてはどれも遜色ないレベルなんですが、やはりジョリパットほど知名度はありません。
ジョリパットのように世に認められ有名になり、のちにその名前が総称になった例はけっこうあります。
例えば “ウォシュレット”(TOTO) や “シーチキン”(はごろもフーズ)などもそうですよね。
これらも商標だったのが、いつのまにか総称になってしまっています。
やはりそれだけ有名になるということは、何かしら理由があるわけです。
ではそんなジョリパット、どういった特徴があるのか解説してきます。
ジョリパットの特徴は?
ジョリパットの特徴は大きく分けて下記2点です。
- 他にない美観(異国情緒あふれる雰囲気)
- 仕上がり(質感)の自由度が高い
ジョリパットの特徴① 他にない美観(異国情緒あふれる雰囲気)
他の外壁と決定的に違うのが、その質感です。
ツヤがなくマットな仕上がり感で、地中海リゾートに建っているような、ナチュラルでやさしい雰囲気に仕上がります。
✔︎ ジョリパットのイメージ画像がこちら
こんな雰囲気ですね。非常に落ち着きがあり、ぬくもりのある優しいお住まいに仕上がります。
なんだか、夢が広がりますよね。
ジョリパットの特徴② 仕上がり(デザイン・質感)の自由度が高い
仕上がりのバリエーションが豊富なのも、ジョリパットの魅力の一つです。
色は180色以上、質感も100を超える種類があります。
まさに、ビジュアル特化型の商品だけあります。
※出典:アイカ工業株式会社カタログより
自分の好きなパターンや質感、そして色にすることが出来るわけです。
ただ、これだけあると正直悩みますけど(笑)
ジョリパットの人気の秘密は、こういったユーザーの想いをカタチにしたところにあるんですね。
ジョリパットの寿命(耐用年数)は何年?
続いてジョリパットの寿命(耐用年数)について。
製造元のアイカ工業によればジョリパットの耐用年数は約15〜20年とのことですが、あくまでもこれは素材としての寿命の話。
塗装屋目線でいうと、外壁表面の凹凸があるジョリパットは5年目あたりからコケやカビなどが発生し、7〜8年目ぐらいで外壁にヒビが入り出すケースが非常に多いです。
通常であれば約10年に一度のメンテナンスで良いのですが、美観重視のジョリパット外壁の場合7〜8年目での少し早めの外壁塗装が必要となります。
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ジョリパットのデメリット・注意点
さて、ここまでジョリパットの特徴や魅力をお伝えしてきました。
とても魅力的な商品で、自然と自分の理想のお住まいをイメージしてしまいますよね。
では、最後に「ジョリパットのデメリットや注意点」をお伝えして終わりたいと思います。
✅ ジョリパットのデメリットは3点
- クラック(ヒビ割れ)補修が目立つ
- 藻・カビ・汚れがかなり付きやすい
- 塗り替えの際に強く高圧洗浄すると、削れたり割れたりする
ジョリパットのデメリット① クラック(ヒビ)痕が目立つ
じつは、ジョリパットも年数と共に「割れ」や「ヒビ」が入ったりします。
年数としては、早ければ7年ぐらいでしょうか。
ジョリパットの出荷元、アイカ工業株式会社の説明によれば、
ジョリパットは、とても粘力がありヒビ割れしにくい材料
とのことですが、やはりそれでも年数と共にヒビ割れは起こっています。
やはり乾燥したヨーロッパなどと違い日本は極端な湿気大国ですから、風土の問題もある気がします。
そこで問題なのが、ジョリパットのヒビ割れの補修痕(あと)です。
美観(デザイン)重視でジョリパット壁を選ばれた方ならではの悩みですね。
対策としては、クラック(ヒビ割れ)する前に、定期的に塗装(塗り替え)をしてあげることです。
※ジョリパットの塗り替えについてはこちらの記事を参照ください。
ジョリパットのデメリット② 外壁に藻・コケ・カビ・汚れがかなり付きやすい
ジョリパットは、写真を見て頂くと分かるように、外壁の表面がザラザラしてマットな仕上がりです。
ですから、どうしても外壁に雨水がたまり、汚れや藻・カビといったものがとても付きやすくなります。
これは、北側の日差しが当たらない壁面などは、早ければ3~5年あたりで出てくることもあります。
でもこれについては、逆にアンティークな雰囲気を好む方もいると思うので、そういった方にとってはジョリパットの汚れはデメリットではないかもしれませんね。
ちなみに外壁の汚れ自体は、特に家になにか特別な問題を生じさせるものではありません。
ジョリパットのデメリット③ 外壁の高圧洗浄には注意を !
繰り返しますが、ジョリパットは通常の外壁と比べ、とても汚れやすい素材となります。
そこでよくあるのが、自宅の「高圧洗浄機」でジョリパット壁を洗ってしまう行為。
これはホントに注意⚠が必要です。
上記で載せていたジョリパットの写真を見てもらったら分かるように、壁の表面はボコボコでザラついていますので、なかなか汚れが取れません。
そこで洗浄機の水圧を上げてしまったり、一点集中で洗浄機をジョリパットにあててしまうんです。
そうすると、かなりの確率でジョリパット外壁が崩れたり、穴が空いたり、模様が崩れたりします。
美観(デザイン)重視のジョリパットだけに非常に扱いがむずかしい外壁でもありますので、汚れを洗い落とす場合は外壁塗装などの専門の方にお願いしましょう。
ジョリパットについてのまとめ
今回は、ジョリパットについて掘り下げてみましたが、いかがだったでしょうか。
やはり、どんな商品もメリットもあればデメリットもあります。
でも、このジョリパット。
美観(デザイン)重視の方なら、デメリットを差し引いても有り余るほどの素晴らしい商品かなと個人的に感じます。
あとは、ジョリパットは左官工事になりますので、より良い工事業者を選ぶことが重要ですね。
仕上がりの良し悪しに、職人の腕(技術)が直接関係してきますので。
私自身、本業の塗装で、ジョリパット壁を塗り替える(塗装)ことがよくあります。
年数が経過したジョリパットのリアルな状態をよく知っていますし、なによりジョリパットのお住まいのお客さんのこだわりもイヤなほど理解できています(笑)
ですから、塗料メーカーやハウスメーカーとは違う目線で、お客さんの悩みや問題点が見えてきます。
それを私の実体験をもとに、より有益な情報を届けれたらと思い、今回記事を書きました。
本記事が少しでもみなさんの役に立てていれば幸いです。
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