外壁塗装工事で大事なのは、
- 「業者」選び
- 「塗料」選び
- 「季節」選び
の3つです。
『予算も大事でしょ?』と思われるかもしれませんが、それはちゃんとした工事が担保されての話。安かろう悪かろうでは元も子もありません。
今回テーマにしている「塗料選び」は、選んだ時点で工事の品質が決まってしまう最も大事な要素です。
たとえどんなに良い職人に工事をしてもらったとしても、塗料の能力以上の仕上がりにはならないのです。
逆に言えば、塗料選びさえ間違わなければ、ある程度の工事品質が保証されるということです。
「塗料選び」にはいろいろとコツがありますが、その中でも今回私が声を大にして伝えたいのが「塗料は大手塗料メーカーの製品にしとくべき」ということです。
なぜ大手塗料メーカーを選んだ方が良いのか?
そのあたりの理由について、今回分かりやすくお話しさせて頂きます。
関連記事
大手塗料メーカーとは
まず本題に入る前に、大手塗料メーカーとは具体的にどういった会社を指すのか。
これが分からないと判断付かないと思いますので、下記に一覧表をまとめておきます。
■トップ塗料メーカー
(日本三大塗料メーカー)
■一流塗料メーカー
■専門性の高い塗料メーカー
※キシラデコールの開発元は、ドイツのバイエルの子会社であるデソワークバイエル。参照元はこちら
これらの会社の共通点は、塗料だけを作り続けて何十年〜百何十年という歴史(実績)がある会社という点です。要するに塗料専門の開発・製造メーカーです。
チェックポイントはココ!
☑ 自社開発しているメーカーか?
☑ どのくらい歴史があるのか?
関連記事
外壁塗装工事に大手塗料メーカーの製品(塗料)を選ぶべき理由
さて、ここからが本題です。
外壁塗装工事に大手塗料メーカーの製品(塗料)を選ぶべき理由がこちらです。
- 大手塗料メーカーの製品は信頼に値する
- 大手塗料メーカーはアフターがしっかりしている
この2点に尽きます。
次項では、私自身の過去20年以上の実体験も踏まえ、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのかを、実例を出しながら分かりやすく解説していきます。
実際にあった事例①「日本ペイントの塗料不具合」
これは私が大手塗装会社に勤めていた頃に体験した、とてもめずらしい事例です。
日本ペイントのとある遮熱塗料を屋根に塗装して1〜2年経過した頃に、お客さんから一本の電話が入りました。
『屋根の色が緑に変色しているんだけど、ちょっと見に来てくれる?』
そのお客さんの屋根はもともとディープグレー(黒に近い色)で塗装していたはず。しかし現場確認してみると全面モスグリーンカラーに。
おかしいなと思い、塗料代理店経由で日本ペイントに調査依頼をかけ、数日後に担当者が現場にきて確認。1週間後に「不具合調査報告書」とともに日本ペイントの担当者より回答がありました。
当時、日本ペイントは遮熱塗料を販売したばかりの頃でした。
「あの日本ペイントでもこんなことがあるのか!」と驚くのと同時に、そのアフター対応に「さすが日本ペイントだなぁ…」と感動したことを覚えています。
もし仮にこれが二流、三流の塗料メーカーだったなら同じ対応をしてくれたのか?
そう考えると、やはり大手塗料メーカーにしておいて本当に良かったなと感じる出来事でした。
ポイントはココ!
- 業界最大手の日本ペイントでさえ塗料の不具合が発生することがある
- 大手塗料メーカーであれば、万が一の時にも安心できる
実際にあった事例②「TOTOの光触媒塗料」
続いて、TOTOの光触媒塗料「ハイドロテクトコート」の事例です。
TOTOは、2000年に「汚れを分解して洗い流してくれる」セルフクリーニング効果を持った光触媒塗料を開発し、新たに住宅塗料業界に参入してきました。
当時のTOTOの最先端技術「ハイドロテクト」を外壁に応用した斬新な塗料で、しかもフッ素を越える20年以上の耐用年数がある次世代塗料ということで注目され、多くの塗装屋さんが一斉に取り扱い始めた人気商品です。
■こちらが当時のTOTO光触媒カタログ
しかし、その後2017年にTOTOは、住宅用の光触媒塗料事業から全面撤退しています。
撤退の理由は、「一部製品に不具合が見つかったため」ともいわれています。
TOTOといえば誰もが知る超一流企業、『間違いないだろう』と安心してしまいがちですが、こと塗料に関してはまったくの未経験分野、やはりそう簡単にはいかなかったようです。
今では、光触媒塗料の人気は一気に衰退、取り扱う塗装屋さんもかなり減ってしまいました。
ちなみに、TOTOの光触媒の不具合については、数年かけて順に対応しすべて完了したとのことです。
今回の事例から
- 塗料はかなり専門性の高い分野であること
- 塗料開発の歴史・実績がかなり重要
といったことがみえてきます。
今回はTOTOの光触媒塗料「ハイドロテクトコート」を例に取り上げましたが、同様のケースはやまほどあります。
特に、新規参入の塗料メーカー(歴史が浅いメーカー)や、海外塗料メーカーの商社、さらにはトレンドといわれる今流行りの塗料などは、それなりのリスクがともなうことも考えておかなければいけません。
ココがポイント!
- 話題になっているトレンド塗料には十分注意!
- しっかりと塗料メーカーの実績を確認すること!
まとめ:なぜ外壁塗装は大手メーカーの塗料を選ぶべきなのか?
今回は、外壁塗装工事に使用する塗料は大手メーカーが良い理由について紹介してきましたがいかがでしたか。
大手メーカーの塗料を使った方が良い理由はおわかり頂けたでしょうか?
本記事をまとめると
- 外壁塗装工事の塗料は大手塗料メーカーの製品を選ぶべき
その理由としては
- 大手塗料メーカー製品は信頼に値する
- 大手塗料メーカーはアフターがしっかりしている
対策としては
- どこの塗料メーカーの塗料かを確認すること
- ウェブサイトなどで会社概要・会社沿革・実績などを調べること
- 塗料開発を専門に扱うメーカーであること
- トレンドの塗料は避けた方が良い
長年この業界にいて感じることは、「塗料の性能は、開発年数(実績)におおむね比例する」ということです。
少なくとも私は、トレンドになっているような新しい塗料、それに歴史の浅いメーカーの塗料などは取り扱わないようにしています。
この情報がみなさんの外壁塗装工事に少しでもお役に立てれば幸いです。
以上、今回は塗料選定についての情報でした。
■塗料選びのすべてがわかる記事
■シリコン塗料
- シリコン塗料とは?特徴やデメリット、耐用年数やコスパを解説
- 同じシリコン塗料なのに、なぜ見積もり金額が違う?
- 業界歴20年の私が本気でおすすめするシリコン塗料9選!
- シリコン塗料とウレタン塗料はどちらが良い?
■ラジカル塗料
■フッ素塗料
■無機塗料
■特殊な塗料
- 遮熱塗料って実際効果あるの?エアコン代が安くなるってホント?
- 外壁のクリア塗装はどんな人に向いている?デメリットやよくある質問Q&A
- デザイン重視のセラミック塗料とは?相場費用やデメリットを解説!
- プロが選ぶ!おすすめセラミック塗料ランキング6選&有名塗料メーカー紹介
- ジョリパッドとはどんなもの?
- ジョリパットの塗り替え時期はいつ? おすすめ塗料とメンテナンス方法
■その他の塗料に関する情報